学校へ行かない子供たち。
私が子供だった頃とは比べ物にならないくらい、そんな子供が増えています。
決められたカリキュラムの中で生活することへの抵抗感。みんな同じじゃないと疎外感を感じる社会。細かなルールで縛り付けられる苦痛。もしくは、ルールを守れない人に対する苛立ちなど。
学校へ行けなくなる理由はそれぞれ。原因が社会にあるのか、それとも子供たちにあるのか。それは計りかねますが親として一番気になっていること、それは「この子の将来は一体どうなるのだろう?」ということではないでしょうか。
先を予測できる大人だからこそ、心配し、本人のペースに任せることがなかなか難しい時もあると思います。
就労移行支援を行っておりますプラーナでは、学生時代不登校だったという方も多く通われます。
プラーナで様々な「苦手」を受け入れ、乗り越え、就職される方々をたくさん見てきました。
今回の記事ではそんな「不登校」に焦点を当てて執筆していきたいと思います。
不登校で学歴がない、そんな人でも就職できるの?
現代は様々な働き方があり、「就職」という形にこだわらない若者が増えています。
とはいえ、安定した働き方=就職。という事実は今も昔も変わりないのではないでしょうか。
親はいつの時代も「子供に苦労をして欲しくない」と願うものです。
率直に申し上げますと、不登校でも、職を選ばなければ仕事はできますが、学歴がないと選択肢が狭まります。
程度や度合いにもよりますが、計算ができない、漢字が読めない、文章理解能力がない、言葉での指示が伝わらないなど、お仕事をする時に最低限必要となってくるスキルを「この人は持っているな」とわかりやすく判断する基準が学歴であり、資格です。
そのため、学歴のある人は就ける仕事が増えますが、学歴のない人は就ける仕事が限られてしまいます。
ただ「うちの子は学校に行ってないから、仕事を選べないのか」と諦めるのはまだ早いです。
というのも、学校へ行っていなくても学べる方法が現代にはたくさんあるからです。
フリースクール(小・中・高)
学校へ行けなくなった子供たちの心のケアをしながら学習も個人のペースに合ったサポートを行っているフリースクール。人と関わることを学んだり、社会性を身につけるために適した場所ですが、一人一人のペースに合わせた学習と、心のケアに重きを置いているため学歴をつけるという面では少し目的が異なってくるかもしれません。
不登校になった直後や引きこもりになる心配のある子供には外に出る習慣づけと人に慣れるという意味でも利用される方が多いです。
高卒認定試験
中学を卒業したけれど、高校へ行けなくなってしまった。
今から高校へ通うのは難しいが、大学や短大などで専門的な勉強がしたい、学歴が欲しいと思う方は、高卒認定試験の受験がおすすめです。
こちらの試験に合格すると、「高卒レベルの学習ができる」と認定され、大学や短大への進学する資格を得ることができます。ただ、高校を卒業しているという資格ではないため、高卒認定だけでは履歴書に書ける学歴は「中卒」となります。
通信制高校
「自分で学習できる」という子供には通信制の学校がおすすめです。
というのも、通信制の高校は卒業すると全日制の高校を卒業したのと同じ資格が与えられるからです。
人との付き合いや集団生活は苦手だけれど、勉強は嫌いではない。自主学習が苦ではない。分からないことを自分自身で調べ学ぶことができるという方に適しています。
年に数回、テスト等で学校への通いが必要な日もありますが、それでも全日制の高校に通うよりもずっと「楽」と感じる方は多いのではないでしょうか。
不登校でも大丈夫、集団生活が苦手な人の就職支援
学生時代に人との関わりを避けていた人も、お仕事をする時にはビジネスマナーやコミュニケーション能力をある程度身につけておかないとトラブルの元になったり、仕事をうまくこなすことができなくなってしまいます。
まずは人に慣れること。
そのためには集団に入り、挨拶を交わすところからはじめます。
実際に集団に入ると、自分は何が苦手で、どんな困りことがあるのかが浮き彫りになってきます。
苦手なこと、困りごとを解決する方法や対策を探し、自分自身や他の人の困りごと、苦手を受け入れる練習をしていきます。
集団生活は、「受け入れる」ことから始まります。
そのためには、自分自身が「変わる」ことが必要になるときが必ずきます。
それは生活習慣かもしれませんし、考え方かもしれません。就職へ向けた変化を繰り返すことで、「苦手」ではあるけれど、うまくやっていく術を習得していくのです。
不登校だった人におすすめな進路を見つける方法
特性、性格、性質は10人いれば10通り。
みんなそれぞれ違うから、それが面白いのです。不登校と一言で言ってもそうなった理由も人それぞれ。得意とすることも人それぞれです。
人と関わることがほとんど無いような技術職や職人のようなお仕事が向いている人もいれば、逆に何かのきっかけで不登校にはなってしまったけれど、実は人と関わっていくことで成長を感じたりやりがいを感じる、人のためになる仕事に適性を持つ性格の人もいます。
自分自身を知り、適性を見極めることがとても重要になってきますが、それが自分の目線では難しいこともあります。
いろんな経験を通して、いろんな人と関わり、人を通して自分自身に気づくことは多いので、今もし少しでも「何かを初めてみたい」という気持ちがあるのでしたら、挑戦してみたいことを書き出してみると良いです。
それが「人生でやってみたい10のこと」でも良いですし、「なりたい仕事10選」でも良いと思います。
具体的な職業につながってきたら、その職業について調べてみたり、体験できる機会を探してみたり。
知ること、やってみる事は1番の適正を見極める方法であり、1番の職業訓練です。
例えもし、やってみて壁にぶつかり「やっぱりこの仕事は向いていないのではないか」と思うことがあっても、自分の可能性を信じること、「できる」を信じていくこと、保護者の方には「信じる」をサポートしていただきたいです。
一度不登校の経験がある方にとって、社会に出るという選択はとても勇気のいる選択です「やっぱりダメだった」「自分には無理なんだ」そんなふうに思ってしまう方が自然かもしれません。
でもそんな時にこそ、「ダメかもしれないけどやってみよう」「あれはできなかったけど、これはできるようになった」「続けていけばできるようになるかもしれない」そんな視点で今を見てほしいと思います。
向いている仕事というのは結局のところ、10数年後には「やってきた仕事」=「向いている仕事」になります。
人は継続することでスキルを身につけていくからです。
就職するために必要なスキル
プラーナでは、様々な職種へ就職される方々の支援をおこなっております。
就職するためには皆様に共通して身につけていただくスキルがあり、それを就職準備性ピラミッドと呼んでいます。
健康管理スキル
一番底辺にくるスキルが健康管理スキルです。
健康を維持するために適切な判断と行動を取れることです。例えば、体調に不調を感じているときに夜更かしをしてしまったり。疲れている時に遠出をしてしまったり、お医者さんからの指示に従えず服薬ができない等、自分の健康を管理するスキルはお仕事をする上で一番土台となるスキルです。自身の健康に関心を持ち、自分自身でコントロールしていく力は必須になります。
日常生活管理スキル
夜寝る時間、朝起きる時間、3食ご飯を食べること、休日の過ごし方など、「今やりたいこと」よりも生活全般を管理し、調整する能力です。
「やりたい時にやりたいことをやる」生活はお仕事や健康、人間関係に影響を及ぼします。お仕事に支障が出ないよう管理することができるようになることが大切です。
対人スキル
上の二つのスキルが身に付いてくると、体調が整ってきます。対人スキルは体調にとても左右されるスキルですので、適切なコミュニケーション方法や、ビジネスマナー、感情コントロールなどの対人スキルは体調がある程度整い、コミュニケーションによって受ける負荷への耐性がついてから行っていきます。
改善点や目標は常にありますが、体調重視でスキルを身につけていきます。
基本的な労働習慣スキル
挨拶、身だしなみ、報連相、片づけや身辺整理、声かけや率先して動くことなど基本的な労働習慣は実践して身につけていきます。
職業適正スキル
事務職でしたらPC操作や電話対応、作業系の職種でしたら手先を動かす細かい作業など、実際にお仕事へつながるようなスキルは就職準備性ピラミッドでは一番最後の頂点になります。土台が準備できしっかり整ってきて、最終的に身につけるスキルです。
就職準備性ピラミッドに関しましてはこちらのページにも記載されています
まとめ
就労移行支援プラーナでは、様々な特性をおもちの18歳以上の成人の方を対象とした就職支援を行っております。「働きたい」「社会に出たい」といった気持ちを応援しております。
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就労移行支援プラーナは、あらゆる視点であなたの就職活動とその先のサポートをしていきます。
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