こんにちは。プラーナ宮崎です。
最近の宮崎は梅雨の合間に真夏日といった日も多く、天候も日によって安定せず、体調管理が難しいと感じる日が続いています。
皆さん体調はいかがでしょうか。
こんな時期は無理をせず、心穏やかに過ごしたいものですね。とはいっても日常的にやることが多く、あれもこれもと考えてしまう方も多いのではないでしょうか。
その一方、やらなければと思いつつ、ついつい後回しにしてしまい期限ギリギリになったり、期限を過ぎてしまい後悔してしまったりすることもあると思います。
特にADHDの方は顕著に「先延ばし」をしてしまいやすいと言われています。
本日はこの「先延ばし」についてお話させていただきます。
なぜ先延ばしにしてしまうのか?
やろうかなと思っていても、まだいいかなと余裕があると思い、ついつい後回しにしたこと、皆さんはありませんか。
私は、まだ大丈夫と思っていても、気づいたら締め切りの日を迎えており、慌てて取り掛かったことも少なくはありません。
嫌なことや面倒なことを先延ばしにするのは誰にでもあることだと思いますが、特にADHDと診断のあった方は、先延ばしによって何をしていいのかわからず混乱し、仕事が進まない、やるべきことがわからないといったことがあり、生活にも支障をきたしてしまうといったことが多いと言われています。
普段、私たちが何か物事に取り組む際には無意識のうちに以下の4ステップを踏んで、行動をしています。
① 計画を立て、段取りを考える。
期限から行動を逆算し、何を順でどのペースでやるのか計画を立て、全体の段取りを決めます。
②スケジュール通りに物事を進める。
時間の見積もりを目安に予定通りに進めていきます。以前に取り組んだことがあれば、所要時間を参考にします。
③その場に合わせた行動に切り替える。
その時やることに焦点を当てて、行動していきます。目的に合わせて行動を切り替える必要があります。
④感情や行動を制御する。
作業実行中は感情やほかのことに対する衝動を抑え、最後まで取り組み続けます。
しかし、ADHDの場合は、行動の判断や欲求の制限をつかさどる脳の機能(実行機能)がうまく働かずに、4ステップのなかで以下のようなことが起こると言われています。
①計画を立て、段取りを考える。
計画を立て、段取りを考える段階で、順序だてて考えることや工程の多さから、計画を立てる段階で段取りを想定することに混乱し、モチベーションの低下につながってしまうことがあります。
②スケジュール通りに物事を進める。
時間の見積もりが甘く、予定通りに進められないことがあります。実現不可能な計画を立ててしまい、時間が足りなくなってしまうのです。
③その場に合わせた行動に切り替える。
しなければいけないとわかってはいるが、今やっていることを終えることが難しく、やり続けてしまいます。1つのことから次のことへ移る時に、行動の切り替えを行う難しさがあります。
④感情や行動を制御する。
ほかのことが目に入ってしまう、または思考に入ってしまうと、理解してはいるものの、欲求をコントロールできずに、ほかのことをしてしまいます。 このように、ADHDの方が先延ばしにしやすい原因としては、しなければいけないということを理解してはいるものの、実際に行動に移すまでに時間がかかる、行動をしてもやめてしまうといった実行機能の弱さに原因があると言われています。
先延ばししないよううにするために
では、どうしたら「先延ばし」せずに取り組むことができるのでしょうか。
まずは自分の行動や考え方を知り、整理する必要があります。先延ばししてしまう原因を知ることで、それに合った対策をしていくことができます。
≪対策の例≫
- 行動スケジュールを立てる、時間で管理する
その場の状況に合わせて対応すると混乱してしまうという人は、作業を細分化し、事前に行動のスケジュールを立てることで、見通しをもった行動をすることができます。また細分化した1つの行動に対して、時間も決めておくことで時間の見積りのずれを減らすことができます。
報告・連絡・相談が苦手、タイミングがわからないという方はスケジュールに報告・相談・連絡の時間も設定するといいと言われています。
- 全体像を考え、優先順位をつける
ADHDの方は、目の前にある作業に集中することが得意です。そのため、1つ1つの仕事に対して、過集中になり疲れにつながることがあります。
その一方で、全体像をイメージして考えることを苦手としています。
そのため、一連の流れや全体像が見えずに、先延ばししているつもりはなくても、間に合わなかったという結果につながることがあります。
作業開始前には、作業工程や期限といった全体を把握し、作業途中や1日の終わりなど、今はどこまで進んだのかを見返す時間を取ることで、全体に対しての進み具合を知ることができます。
またTODOなどリストアップして、どれからやるか優先順位を決めておくといいでしょう。
カラーペンなどを使って視覚的にわかりやすいようにしておく、目的や期限など一緒に記載しておくことで、やる気にもつながります。
- 集中できる環境をつくる
ADHDは注意が散漫になりやすいという特性がある場合があります。気がそれる原因となるものを視界に入れないということも大切です。
仕事をする環境を整えるために、机の上にその時に必要なもの以外置かない、パテーションで空間を区切る等、工夫をすることで集中しやすい環境を作ることも大切です。
- 上手に周囲の人を頼る
一人で対策を行っても、全部がうまくいくとは限りません。苦手なことを無理して取り組むよりも上手に周囲の人に頼ってみるのもいい対策です。
一人で混乱をしてしまうなら、スケジュールを一緒に考えてもらったり、優先順位を決めてもらったりすることで、見通しを立てることができます。頼った後には、感謝の気持ちを忘れないことも大切です。
まとめ
プラーナでは、模擬職場として、優先順位のつけ方やスケジュールや時間の管理など、実践的に練習することができます。日々の相談支援を通して、周囲への頼り方も身につけることができます。
ADHDの特性では、先延ばしにしてしまう、気が散漫になりやすいなどのマイナスな印象もありますが、集中力の高さなど、プラスの面も多くあります。
どうしたら力を発揮できるのか、自己分析を通して、自身に合った環境や自身の特性を知ることも働くうえでは重要になってきます。
プラーナからの就職者の中には、集中できる環境を事前に企業様へ情報共有することで、入社前に環境調整を行っていただいたこともあります。
同じ診断を受けていても、特性や配慮事項は人それぞれです。気になる方はぜひ一緒に自身に合う働き方を考えてみませんか。
ご興味のある方は、ぜひ下記までお問合せください。
最後までブログを読んでいただき、ありがとうございました。