自閉スペクトラム・ADHD 30代女性 Tさん
プラーナ湘南利用 24か月(再利用1か月)
様々な仕事を経験するも、なぜかうまくいかない。行く先々でコミュニケーションにつまずいてしまい、自分の努力が足りないのか、それとも自分の中で何かが起こっているのかがわからず悩み苦しんでいたTさん。そんなTさんがプラーナと出会い、どんな風に社会復帰を果たしたのか。Tさんがプラーナ湘南で歩んだ軌跡をご紹介したいと思います。
目次
1. プラーナ利用以前
プラーナを利用する以前は人材派遣に登録して事務の仕事をしていたTさん。そのうちなかなか良い条件の仕事に巡り合えずに工場で軽作業のお仕事に就く事となります。その頃はまだご自身の障害について何もわかっておらず、他者とのコミュニケーションに非常に苦労をしていたとの事。最後に働いた工場で大きな対人トラブルに巻き込まれてしまい、辞める事になってしまいます。
その後ご両親に自分が昔から対人関係が上手くいかない事を相談し、自分が昔から何かおかしいと感じていたことを話すと、ご両親も少し違和感を感じてはいたけれど、ご本人には言えなかった事を告白されます。そして通院する事を決意し、ご自身が自閉スペクトラム・ADHDであることが判明します。障害名がわかった時に「やっぱりそうだったんだ」「自分の努力が足りないせいではなく、そもそも上手くいかないのにはちゃんと理由があったんだ」と思ったその当時の気持ちを話して下さいました。
2. 就労移行を利用しようと思ったきっかけ
福祉サービスを何も知らなかったので、そもそも利用する事自体全く考えてなかった最中、通院先のケースワーカーに「就職活動をするなら就労移行支援を利用してみたら?」と提案を受けた事がプラーナを知るきっかけとなりました。就労移行支援という言葉はそれまで見た事も聞いた事も無かったので、まずどんな所なのかを調べる所から始めます。そしてご本人の自宅からすぐ近くの所にある『プラーナ湘南』を見つけて見学をし、すぐに利用する事を決めました。プラーナ以外の施設に見学することなく即決できたのは、強いプレッシャーを感じなかったのが大きな要因だったそうです。
3. プラーナ利用開始
プラーナを見学した際に「自分のペースで大丈夫」「焦らずにやっていこう」と声をかけてくれたことがとても嬉しく、ここで頑張りたいと思い利用を開始したTさんですが、人間関係に大きなトラウマを抱えての入所だったため、人と関わるのが怖くて逃げるように帰る日々が続きます。何をしても怒られるのではないかという恐怖心があったけれど、少しずつ挨拶をするようになると普通に返事が返ってきて、「これで大丈夫なんだ」「早く帰っても怒られないんだ」という安心感を得られ、初めはタイピング練習だけの参加から、徐々に通所の時間を延ばすことが出来るようになっていきます。
自分が課題だと感じていた自己発信はカリキュラムを通じて訓練する事ができ、またご利用者様と共同作業を行いながらコミュニケーションを学んだり、プラーナでの活動は非常に充実したものとなりました。得意なイラストを描かせてもらう機会が多く、自分の好きな事を必要としてもらえるのがとても嬉しかったし楽しかったそうです。
4. 就職、そして離職…
プラーナを利用してから1年半が経過、そろそろ就職活動をしなければと動き出す事を決意します。適職テストを受けた際にどんな職種でも大丈夫という結果が出たものの、どんな仕事を探せばいいのか・・・今までの経験を活かせる仕事と考え事務職を探します。求人検索をしている際にふと図書館の求人が目に留まり、これは何かのご縁ではないかと感じてすぐ応募しました。結果、市民図書館は不採用。プラーナ利用期限が迫り気持ちの焦りもある中、別の図書館の求人を見つけて応募したところ見事採用となります!学生時代から図書館に通い詰めていたくらい本が好きだったTさんにとってとても興味のある職種でした。
就職先は片道1時間半くらいの場所にある図書館でしたが、徐々に慣れて充実した日々を過ごします。しかし3年の有期契約だったため、期限が近付いてきた際に更新しようかどうしようか迷っていたところに大々的な配置転換があり、通勤時間の長さを負担に感じていたのもあって期間満了で退職する事を決意。プラーナを再利用して再就職を目指すことになりました。
5. プラーナ再利用からの再就職
前職を辞めてから心身ともに少し休憩をし、プラーナを再利用するために施設を訪れた際にいつもと変わらない『だれでも受け入れてくれる雰囲気』を感じて、とても安心したと話してくれたTさん。プラーナで再出発し、自分のペースでリズムを整えてから徐々に就職活動をしていこうと考えていた矢先、スタッフから「Tさんに紹介したい仕事があるんですけど…」と、Tさんにとってもサプライズとなる話が舞い込んできました。再利用からわずか1ヶ月の事です。
すぐに応募書類を作成し面接。そこから1週間後に採用の連絡があり、Tさんの過去の職歴や経験を充分に活かせる事務の仕事に再就職が決まりました。
「まさかこんなに早く再就職できるなんて思ってもみなかった。けれど、前職での経験や生活の土台が既に出来上がっていたから準備はできていた。それがこの結果に繋がったのかもしれない」とTさんは話してくれました。
6. 今後の目標
「一日でも早く職場の雰囲気に慣れて、力になれるように頑張りたい。新しい環境に行く時はいつも不安だけど、殻に閉じこもらないように、殻からきちんと顔を出してコミュニケーションを取っていきたい」
と、力強く今後の抱負を語って下さいました。
7. プラーナを利用して就活をする人へのメッセージ
プラーナを利用して、これから就職活動を頑張っていくご利用者様へ。
「チャンスは必ず回ってくるけれど、ちゃんとアンテナを張っていないと逃してしまうかもしれない。情報は常に収集する事がとても大事。
頑張り過ぎないで、だけど自分なりには活動期間中は頑張る事。
結果を出している人はみんな陰で努力をしているから、色んな事があると思うけど諦めずに頑張って下さい」
―次に繋げる―
就労移行支援プラーナは、あらゆる視点であなたの就職活動とその先のサポートをしていきます。
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