日本列島では梅雨も徐々に明けはじめ、じめじめとした季節もようやく終わりが見えてきました。
梅雨の時期、よく聞かれる身体症状として「だるい」「頭がぼーっとする」「頭が重い」などが挙げられます。皆さんの中にもこういった症状に悩まされている方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、なんとなく頭がぼんやりする症状が続いたり、思考回路が回らなくなったりするその症状。
実は「ブレインフォグ」と言われる症状かもしれません。
今日はあまり聞き馴染みのない「ブレインフォグ」について紹介させていただきたいと思います。
まず、ご自身の状態をチェックしてみたい方は「こんな症状、ありませんか?」に飛んでみてください!
「ブレインフォグ」とは?
ブレインフォグの症状として、「頭の中に霧やモヤがかかったように、ぼんやりとしてしまい、考えることや集中することが難しい状態」が挙げられます。そして、その症状がどのくらい続くのかは個人差があり、治療が必要なレベルなのか経過観察で大丈夫なレベルかは人によって違う、ということが特徴的です。
新型コロナウイルスの後遺症として報告が上がっています。
ちなみに「ブレインフォグ」は正式な病名ではありません。医学的に定義されたものはないため、ブレインフォグかもしれないと思って診察を受けても別の病名がつくことになるので注意して下さい。
こんな症状、ありませんか?
具体的に症状の特徴を示すと、次のようなものがあります。
- 集中しようとするほど、頭がぼんやりしてしまう
- 相手の話が入ってこない スムーズな会話ができない
- 物事を開始する、行動するのに時間がかかる
- マルチタスクができない(物事を同時進行できない)
- 考えごとをしていても、情報が散らばってまとまらない
- 頭が冴えない
- 焦点を合わせることが難しい 物事を覚えたり、思い出したりすことが難しい
- 考えるのが遅くなった
- 良い言葉が思いつかない
- 空間移動ができない
医学的な定義はないため正確性には欠けますが、上記のような症状を指しています。
イメージとしては、徹夜をして寝不足になった時や暑くて思考回路が回らない時、お酒を飲みすぎて二日酔いになった時のように頭がボーッとして何も考えられない、手がつかないというような状態です。集中力の大幅な低下と言えるでしょう。
基本的にこういった症状はよく睡眠をとったり風邪が治ったりすれば消えてしまうものですが、慢性的に続く場合は何かしらの病気の可能性があるため注意が必要かもしれません。
しかも人によって出現も症状の程度も様々です。そして、どの症状も「本人の認識、感覚」の問題であり、周りからみたら「怠けている」「だるそう」と、マイナスな印象を与えてしまうことも考えられます。
これにより、自分の辛さを理解してもらえないと感じることで不安感や焦燥感にさらされる人もいます。
短期間であれば問題が無いと思えても、長期間になってしまうと社会生活や私生活のも大きな影響をもたらしかねないのです。
「ブレインフォグ」の原因
ブレインフォグの症状が見られる病気はたくさんあります。代表的なものでは以下のような病気で見られることもあります。
- 慢性疲労症候群
- 睡眠障害(不眠症・過眠症)
- PMS(月経前症候群)・PMDD(月経前不快気分障害)
- ADHD(注意欠陥多動性障害)
- ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)
- 適応障害
- 不安障害
- うつ病
- 双極性障害
- 物質関連障害(アルコール・薬物など)
この他にも同様の症状が見られる病気はあります。そのため、正確な診断のためにはブレインフォグの症状以外にどのような症状があるのか、普段どのように過ごしているのか、既往症はないかなど様々な観点から診察をする必要があります。
しかし、共通している事項として多いのが「不安感・ストレスを強く感じている」という人が多いことです。
具体的には以下のような生活習慣なども挙げられております。
脳疲労
現代社会はスマートフォンやインターネットなどを通して常に大量の情報を取り入れ、それを処理しています。こうした状況が続くと、情報処理が追いつかなくなって目の前のことに集中できなくなっていきます。この状態を脳疲労と呼びます。
不安やストレス
職場や家庭で様々な不安やストレスに晒されていると、集中すべきことが目の前にあっても気を取られてしまうようになります。ネガティブなことや考えてもどうしようもないことをあれこれと考え続けてしまう状態をぐるぐる思考(反芻思考)と呼びますが、こういった症状はうつ病や不安障害などの原因にもなります。
不規則な生活
睡眠不足や栄養不足など、不規則な生活を続けることによっても心身のストレスは溜まっていきます。一時的な睡眠不足や栄養不足であれば回復しますが、慢性的に不規則な状態が続くとブレインフォグの原因にもなるうえ、うつ病や睡眠障害などの本格的な精神疾患になることがあります。
ブレインフォグを取り除くためには?
ブレインフォグは、生活習慣を整えることでも改善する可能性があると言われています。当てはまる症状のある方は、生活習慣を見直してみると効果的かもしれません。
睡眠を見直す
働いている人の中で、睡眠不足が続く人はブレインフォグになりやすいと考えられています。睡眠不足になる要因のほとんどは仕事の残業です。夜遅くまで残業して帰宅、そのまま何もできずに寝てしまい、また朝早くから出勤。土日や仕事が休みの日まで、出勤しているサラリーマンも多いでしょう。
このような状態では、充分な睡眠時間や少しの休息も取れません。慢性的に疲労がたまり、脳に負担をかける状態になっています。
この状態から抜け出すためには、一番良い方法は「残業をしない」ということですが、個人の力ではどうにもなりません。そこで、残業による私生活への影響を防ぐことが大切になります。
以下の活動を参考にしてみてください。
- 休日のどちらかはゆっくり何も考えずに身体を休める
- 仕事中はお昼ごはんを食べた、午後の仕事が始まるまで仮眠をとる
- 帰宅後、睡眠の質が低下しないように、スマホやテレビを見続けない、深呼吸をするなど
食事・水分量を見直す
食事の習慣は、脳に影響を与えやすいでしょう。脳の80%以上は、水分でできているといわれており、脳の中で起きている生体反応や化学反応には、その水分が重要な働きをしています。とくに、エネルギーを生み出すために、たくさんの水分が使われます。つまり、脳に十分な水分が行きわたらないと、脳は水が足りないと感じてブレインフォグや疲労感、めまい、錯乱などの精神症状、最悪の場合は脳の萎縮まで起こる可能性があるということになります。
食事に関しても同じことが言えるでしょう。十分な栄養が行きわたった脳は活性化し、精神的な安定や仕事などでも最高のパフォーマンスを発揮できるようになります。ただし、食べ物なら何でも身体に良く、たくさん食べればいいというわけではありません。
食事を摂る上で大切なのは、食事の栄養バランスを考えて食べることです。
原因を知って正しく対処!場合によっては受診も
ご紹介した通り、「ブレインフォグ」の原因は多岐にわたり、対処法を実践していただいたとしてもすぐに改善するとは限りません。
長く続くと、モチベーションやQOLの低下にもつながってしまう可能性もありますので、場合によっては受診を検討していただく必要があるかもしれません。
辛い症状でお悩みの方は、是非一度かかりつけ医などに相談してみてくださいね。
プラーナでは、ご利用者様の要望に応じて面談などを行い生活上の悩みを聞かせてただくこともあります。
症状があり、誰にも理解してもらえない…そんな気持ちに寄り添わせていただきます。
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