「良い人間関係を築く自信がない」
「本当の自分を誰も分かってくれない」
「職場でも同僚や上司と距離をとってしまうし近づくのが怖い」・・・
人に対して恐怖心を抱いている人は意外とたくさんいます。
心の奥にあるそんな恐怖心や「人を信じられない」といった気持ちが職場での人間関係に影響し、失敗した過去の経験から「人と関わりたくない」という気持ちが生じ、せっかくお仕事を見つけても長く続けることができなかったり。新しい仕事に就くことに躊躇いが生じたり。
就労移行支援に訪れる人の中でも、当初は「人間関係がうまくいくかが不安」といった気持ちを抱いていた人は少なくありません。
仕事は一人ではできません。同僚がいたり、上司がいたり、お客さんがいたり、お世話になっている会社があったり…と、誰かしらに支えられ、成り立っている仕事がほとんどです。
人と人とが関わっていくには、必ずコミュニケーションが必要になってきます。
上手に伝え、また相手が伝えようとしていることを汲み取る力です。どんな仕事に就いても必要となるこの能力に最も重点をおきプラーナでは支援を行っております。
今回はそのコミュニケーション能力の元となるマインド、”オープンマインド”または”インサイドアウト”についてと、そういったコミュニケーション能力を高めるマインドを身につけるためのワークについて書いていこうと思います。
オープンマインドの身につけ方
オープンマインドって何?と思われる方へ。
オープンマインドとは直訳すると開かれた心です。人と良いコミュニケーションをとるために、心を開くことは必須です。
良好な人間関係は信頼関係の上に成り立っています。
「相手の言っていることが信じられない」
「嘘をついているのではないか」
「相手は心の中では悪いことを思っているのでは…」
体調が悪い時には特に、悪いところに目がいきがち。ちょっとした言葉じりを捉えて「あの人はきっとこんな風に思っているんじゃないだろうか」と決めつけたり、あの対応は悪意があると勝手に思い込んでしまったり。
こう言った思考を”クローズマインド”や”アウトサイドイン”などと言います。
体調のせいでそういった思考になってしまうことは止めることはできませんが、「気づく」ことはできます。
体の不調に引っ張られるのではなく、「今私は、体調が悪いからこんな考えになってしまうんだな」と気づき、自分の考えが歪んでいることを客観的に認めます。
また、自分の現状を認めることはできたとしても、そこからポジティブな思考に変えることはなかなか簡単ではありません。
そんな時に「オープンマインド」へと気持ちを切り替えるにはどうしたら良いのでしょうか?
悪いことが起こった時には「ありがとう」
私はよく、自分の気持ちをコントロールするために「言葉」を使います。言葉には、人を変える力があるからです。
特に「ありがとう」という言葉には、ものすごく大きな力があると感じてきました。
自分以外の誰かに伝えれば、その人を笑顔にし距離が縮まります。
自分に「ありがとう」というと、頑張っている自分が慰められ、認められたような気持ちになります。
心が追いつかなくても、言葉を口にするだけで、気持ちが言葉に近づいていくのが分かります。
幼い頃から、感謝をするよう両親からは教わってきましたが、悪いことがあった時にも感謝をするというのは、習慣にすることができたらきっと、全てにがプラスに変換されていくのでしょう。「オープンマインド」を身に付けたいと思っている方は是非騙されたと思ってやってみて欲しい。
良いことがあった日も、悪いことがあった日も「ありがとう」を発していたら、自然とオープンマインドが身についていきます。
「本当にそうなのかな?」と、物事をふかんしてみて見る
マインドがクローズしている時は、大抵自分の考えで頭がいっぱいになっている時です。
「絶対そうに決まっている」や、他の人からの助言に対しても「そんなことはない」と自分で決めつけてしまっています。
そんな時は、自分の考えに「本当にそうなのかな?」という疑問を投げかけてみましょう。
自分に見えている部分はほんの一部です。
「私はこう感じたけれど、相手の感じ方はもしかしたら違うのかもしれない」
自分の気持ちは受け止めつつ、それが全てではないことをしり自分の知らない可能性を知ろうとすることは、マインドをオープンへと導きます。
ジョハリの窓とは
ジョハリの窓は、自分が自己開示できているか、オープンマインドをどのくらい身につけることができているかを知ることのできるワークです。
プラーナでもカリキュラム等で活用してきましたが、企業においてもチームビルディングや自己理解を深めるワークとして活用されています。
「解放の窓」・・・公開された自己
「盲点の窓」・・・自分は気が付いていない、他人からは見られている自己
「秘密の窓」・・・隠された自己
「未知の窓」・・・誰からもまだ知られていない自己
就活にも役に立つジョハリの窓を使った自己分析の方法
1.メンバーをグループに分ける
自分が知っていることと自分が気付いていないこと、他者がしっていることと、他者は知らないことを分析する為にまずは数人のグループに分けます。
初対面同士だと知らない事が多くなり正しく分析することが出来ないので同僚や友人など、お互いに知っている人同士でグループを作りましょう
2.シートを記入する
本人が自分について記載するための用紙と、他の人が記載する用の用紙の2種類を用意します。
紙とペンだけあれば実施できますが、記述される内容が曖昧になってしまう場合には、あらかじめ項目をあげておくと記入しやすく評価も容易になります。
該当すると思われる項目に丸印をつけてもらう方式もやりやすいです。
自分用のシートと、同じグループの人のシートにその人の人物像を記載していきます。
3.集計方法
集計の方法は、自分で記入した用紙と他の人が記入した用紙を比べながら進めていきます。
自分も、他人も記載している項目は「解放の窓」に。
自分は書かなかったが他人が書いた項目は「盲点の窓」に。
自分は記入したけれど他人は記入していないものは「秘密の窓」に記入し、自分も他人も記入しない項目については「未知の窓」に書き込みます。
シートの記入が終わったらグループ内でシェアし感想や意見を交換するとより新しい発見につながります
4.実施する際の注意点
・記載する項目はポジティブなものにする
・自分の内面と向き合うのは勇気が要るため、できるかぎり実施する前にグループ内での信頼関係を築いておく
長所と短所は紙一重で、例えば「おおざっぱ」という一見悪いように思える性格も、「おおらか」だと捉えれば長所に変わります。自分に当てはまる項目をチェックしていく上でポジティブな項目に変換して記載していくことで自分自身のポジティブな点に気付くことができ、他人を評価する際にも正直な評価がしやすくなります。
このワークを行う際に、予め信頼関係を築いておくことはとても大切です。
それは相手を知らないと正しい評価をすることができないというのもありますが、信頼関係が築かれていることでより深い自分自身を知ることができ、新たな発見もあるからです。
また、信頼している相手の知らなかった一面を知ることも、グループの絆を深めるうえでとても意義があります。
知ることは良い人間関係を築く第一歩
就職活動を進めるうえでまずは「自分を知る」事が大切ですとプラーナではお伝えしています。
自分を知ることは、自分自身とのコミュニケーション。自分自身と良い関係を築いていると、他者とのコミュニケーションはその応用です。
まずは知ること。
知らないと何も始まりません。
人間関係で生じるトラブルも、この「知る」ということが足りていない事で起こることが殆どです。
自分自身を知る、そして他者を知るためにジョハリの窓活用してみてはいかがでしょうか