一昔前と比べ、心の病気や発達障害などで社会の中に適応できず苦しんでいる方は増えています。
それと同時に様々な働き方が増えているのも事実ですが、「会社に勤める」という選択は、自分の居場所と安定した収入を得る一つの方法です。
「自立したい」「収入が欲しい」「働きたい」と、心の底から思っていても思うようにいかない現実。
そんな現実に直面している人は少なくありません。
「自分で仕事を見つけたい、でも上手くいかない。どうしたら良いか分からない」
そんな方のために就労移行支援という支援サービスを国の補助のもと受けることが出来ます。
今回はそんな就労移行支援がなぜ必要なのかと、就労移行を利用しても就職できる人と、就職できない人の特徴について書いていきます。
就労移行支援はなぜ必要か
朝起きるのが辛い、人と話すのが苦手、仕事に集中出来ずすぐに疲れてしまう。
他の人には簡単にできること、他の人なら気にならないことにも抵抗を感じてしまう。
障害により特性は様々なので、就労移行支援が必要な理由も特性により様々です。
これからあげる例はほんの一例ですが、これらのサポートがあるのとないのとでは、就職までの道のりや距離が全く違ったものとなります。
生活リズムを整えるには口実が必要
発達障害があると、夜の寝つきが悪く朝起きるのが苦手という特性のある方もいらっしゃいます。努力をしていても、朝起きれないのです。
毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きるという単純な生活リズムを整えるにも、人一倍の努力が必要です。
「生活リズムなんて自分の意思でどうとでもなる」という方もいらっしゃるかもしれませんが、意思だけではどうしようもならない方からすると「早く起きなくてはいけない理由」があるというのは自分を律するとても大きな口実になります。
決まった時間通所し、決まった時間にお昼を食べ、決まった時間に帰宅をする。
その口実があるだけで生活リズムを整える助けになります。
自分を知ることが就活の第一歩
プラーナでは、「まずは自分で自分のことを知りましょう」とご利用者様にお伝えしています。
自分を知らないと、企業に自分の事を伝えることが出来ません。自分を知らないと、大きく体調を崩すまで自分に負荷がかかっていることに気付かないかもしれません。
「自分はこうゆう時に体調を崩す」もしくは「こんなことは得意」ということを伝えるには、まず自分で自分を知る必要があるのです。
けれど、意識していないと自分のことは意外と知らない事が多いです。
自分を知るには「経験」を積み重ねる必要があります。
「こんなこと好きだな」「苦手だと思ってたけど、やってみたら意外と平気だな」「こんなタイプの人とも仲良く出来るんだな」などなど、良い所も苦手な事も、人と人との関わりや経験を通して気づきます。
カリキュラムでも「自分自身に気付くヒント」はお伝えしていきますが、一番は人と関わり、経験し、実践してみることが自分を知る機会になります。
1人で就職活動を行うよりも就労移行支援を利用した方が、利用しないと気づかなかった気付きや人との出会い、成長するチャンスが沢山あるのです。それは就労に向けた訓練を、実践を通して行っているからです。
自分では言いにくいことも企業様との間に入りフォローしてもらえる
障害者雇用において、お仕事を見つけ長く続けていく為には自己発信と合理的配慮が必要不可欠です。
けれど、配慮を頂けるよう自分から発信するのは簡単な事ではありません。
勇気を出して伝えても、思ったような形で配慮いただけるとは限らないですし、自分の事となると冷静さを失くしてしまう事もあるかもしれません。
就労移行支援事業所は、ご利用者様と企業様の間にある立場。どちらの味方でもあり、どちらか一方に偏ってはいません。ご利用者様のお困りごとを聞いて企業様に伝わりやすいようにお伝えしたり、逆に企業様のお困りごとをご利用者様に伝わりやすいようにお伝えしたり、双方の負担が少しでも軽くなるようご提案させていただいたりと。いわば仲裁役。
就労後何事も問題なく、困りごともなくお仕事が続く人はあまり多くありません。
そんな時に相談しやすい仲裁役がいるのといないのとでは、問題を乗り越えるパワーも異なってきます。
障害者雇用で一般就労された方が長くお仕事をつづけられることは、ご本人にとっても、企業様にとってもメリットです。
就労移行支援は利用したからといって必ず就職できるわけではない
就労移行支援が必要な理由の一部を記載させていただきました。ですが、実際に就労移行を利用してみて本当に就職が出来るかどうかというところは、とても気になるところだと思います。
就職ができるかできないかは、支援事業所にもよるかとは思いますが、大抵の事業所では就労実績というものを公表しています。もしパンフレット等に実績の記載がなければ、施設見学時に聞くことも出来ます。
就労実績を聞いても「就職率100%です」という事業所はなかなかありません。
ということは「就職できない人もいる」ということです。
ですが、就職できる人もいます。
「就労移行支援を利用すれば就職できる」とも、「就労移行支援を利用しても就職できない」とも言い切ることはできません。
就職できる人と就職できない人のちがいとは?実際に就職した卒業生の共通点
就職ができるかできないか、それは環境要因ももちろんございますが、実際に就職された卒業生の皆様を見ているといくつか共通点があることに気づきます。その共通点とはいったいどんなことなのでしょうか。
実際に就職した卒業生の共通点
- あいさつができる
- 生活リズムが整っており、遅刻や欠席、早退が少ない
- 困ったときには相談したり、分からない事を質問できる
- コミュニケーションがスムーズ(話し合える)
- 意見の違いやアドバイスを受け入れることが出来る
- ポジティブ
- 自分を変えることが出来る
上記の共通点は卒業間近のご利用者様の共通点です。
もちろん、就労移行支援を利用し始めた最初から上記のような状態の方はほぼいません。
始めは知らない人の中に入りカリキュラムを受けることにとても疲れるでしょうし、体調も整っていないので一週間に数日しか通所出来ない人もいます。
ですが就職され卒業される方々は、皆自分の弱さからの変化を経験しています。
自分を変えようと、努力しています。
まとめ
就職は”ご縁”です。
どんなに不利な条件があっても就職できないとは限らないですし、逆にどんなにスキルを身に付けてもぴったり当てはまる”ご縁”が無い時もございます。
ただ、自分にぴったりの”ご縁”があった時に、自信を持って立候補できるよう自分を整えることは出来ます。就労移行支援プラーナでは、ご利用者様が自信を持って「そのお仕事、できます。させてください」と言えるよう全力でサポート致します。