今でこそよく聞くようになり、認知も広まっている発達障害ですが、数十年前は発達障害があったとしても病院での診断をなかなかもらうことができなかったり、ただただ生きづらさを感じながら普通の人として生きている人が大勢いました。
発達障害の診断を受けることで、自分自身をもっとよく知るきっかけにはなりますが、社会の中で生きていく中で、
「言った方がいいのか、隠していた方が良いのか」
と、迷われることもあるかもしれません。そもそも、障害を受け入れるということは、身近な人物であればあるほど、簡単ではないのです。
今回は、そんな、見た目には分からない発達障害をお持ちの方へ向け、オープン就労とクローズ就労、どちらが良いのか具体的に書いていこうと思います。ご自身の選択のヒントになりましたら幸いです。
オープン就労とクローズ就労とは?
ご自身の障がいを職場へ伝えた上で就労することをオープン就労と言います。
雇用契約を結ぶ前に伝え、障がいがあることを会社が承知した上で雇用されます。職場の環境にもよりますが、困難な業務への配慮をいただけるケースもございますし、通院や服薬の際にも困らずオープンな人間関係を築くことができます。また、就労定着支援という福祉サービスを利用することができ、就職後のお困りごとや、悩み相談、アドバイスもいただきながら働くことができるので、お仕事を長く続けやすくなります。
ですが、周囲の方が障害を知っているということでお仕事がしやすい反面、社内の誰かが障がいに対して誤解や偏見を抱いていたらどうしようと心配に思う気持ちも生じます。
一方、ご自身の障がいは伏せた上で就労をするクローズ就労は、周囲に気を遣われるのが嫌だったり、そもそも自分自身でもご自身の障がいを受け入れることができていなかったり、「話すほどのことではない」と感じている方が選ばれるかもしれません。
クローズ就労は、求人の幅が広がる(採用されやすくなる)、一般就労なので障害者雇用に比べて賃金が高い傾向があるなどの利点はありますが、定着率が低い(仕事が続かない)、隠し事をしなければならない事に罪悪感を感じる、通院時の休みが取りずらい、業務内容や勤務時間などの配慮が受けづらくなるなどデメリットも多いです。
特に、お仕事を継続できず点々としたことがきっかけで、自分の障害を知ることとなった方は、自分の障がいを隠すことよりも、受け入れ、今までとは違った方法でお仕事ができる道を模索するとご自身に合った環境を見出しやすくなるでしょう。
プラーナ湘南でも、オープン就労とクローズ就労に関するメリットやデメリットをブログに書いています。
こちらの記事もご参考になさってください。オープン就労とクローズ就労って?
障がいを隠して就労することはできるのか?
話すか、話さないかを迷われる時に、そもそも「隠しても平気なの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。発達障害と一言であらわしても、重度は人それぞれですし、仕事をする上での困り具合も10人居たら皆異なります。
服薬や生活習慣を改善することで仕事への支障がないよう自分で調整することも可能です。
お仕事をする上で支障が出ないのであれば会社としても問題はないのですが、
「通院のために休みが欲しい」
「マルチタスクは苦手なので一つずつ丁寧に教えて欲しい」
「業務をこなすのに人一倍時間がかかる」などの配慮が必要な場合、お仕事を長く続けていく上でそれを伝えずに働き続けるのは無理が生じる可能性は高いです。
また、発達障害の方で精神障害を併発される方もいらっしゃいますので、まずはご自身の状態をよく知り、ご自身の負担を軽減するためにも働きやすい職場を探すという意味で、配慮いただきたい事柄はオープンにして職場を探す方がより適した環境を見つけることができるかもしれません。
障がいがある方の雇用の種類、一般就労と障害者雇用
障がいをお持ちの方の就労には、様々な選択肢がございます。
障がいをオープンにするか、クローズにするかもご自身の選択の一つですし、一般就労で働くのか、障害者雇用で働くのかという選択肢も出てきます。
先に少し書きましたが、一般就労は障害者雇用に比べて求人の枠が多く、賃金などの待遇も障害者雇用よりも良い傾向はあります。ですが、その分求められる能力も高く、障害者雇用のように勤務時間や業務内容の配慮をいただくことが難しくなります。
障がいのある方の雇用の種類は他にもあり、ご自身にとって一番働きやすい環境はどこなのかをよく見極める必要があります。
雇用の種類に関する記事はこちらを参考になさってください。
障害者雇用の種類は?一般就労、就労継続支援a型とb型の違い。どんな人が合っている?
障害者雇用枠での就労は必ずオープン就労、一般枠では??
障がいをお持ちの方の働き方について少し書きましたが、障害者雇用枠での応募は必ずオープン就労でなければなりませんし、配慮いただきたいことも同時に伝えることができます。
一方、一般枠ではオープン就労することも、クローズ就労することもできます。
一般枠でのオープン就労であっても、企業があなたを採用する価値を感じ、障がいがあっても問題ないと感じるようであれば、障がいは障害ではなくなります。そのためには、あなたのできること、苦手なこと、得意なこと、困ることなどを企業へ伝える必要があります。
配慮いただきたい事はなんなのか、戦力として能力を発揮できる事はなんなのかを具体的に伝えることが大切です。
プラーナでは、就職活動をされる方皆様にセルフナビゲーションシートの作成するようお伝えしています。
障害者雇用であろうと、一般就労であろうと、就労先で永く勤めたいのであれば、まず自分で自分を知り、就労先へ伝えることがとても重要になります。
セルフナビゲーションシートを活用することで、企業は障がいのある方を雇用しやすくなり、障がいのある方は企業から適切な配慮を得やすくなります、
セルフナビゲーションシートの作成方法は、担当職員が丁寧にお伝えしています。
まとめ
オープン就労とクローズ就労について、どちらが自分に適しているか参考になりましたでしょうか?
ご自身の障がいの重さや、ご自身が障がい受容をどのくらいできているか、お仕事をどのように続けていきたいかなど、総合的に判断してみてください。
無理なく働ける自分になれるように。また、あなたに合った職場と出会えるよう、プラーナは全力でサポート致します。
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