自分でも、何故かわからないけれど無性にイライラしてしまう。
怒りが抑えられないことが度々ある。急に悲しくなり涙が止まらない。このような感情を、コントロールすることは本当に不可能なのでしょうか?
今回は、感情コントロールと発達障害の関係と、感情をコントロールするための対処法について書いていきます。
大人になっても感情のコントロールが難しい。発達障害と関係がある?
自分の感情を隠さずストレートに表現をする子供たち。
ですが、大人になるにつれ社会性を学んだり、相手の気持ちを汲み取ることができるようになったり。時には人間関係における失敗や経験から感情をコントロールする術を学んでいきます。
発達障害のある子どもは、言葉で表現することが苦手、相手の気持ちを理解することが困難、バランスの取れた考えかたをすることが苦手(極端な感じ方をしやすい)などの特性をお持ちの方もいて、それらの理由から、怒りや悲しみなどの感情の起伏が大きく表れることもあります。大人になるにつれ感情をコントロールできるようになるお子さんもたくさんいますが、発達障害のある方は、そうではない方に比べストレスに感じる要因がたくさんあり、感情的になりやすい傾向があるかもしれません。
感情の起伏が激しいからといって必ずしも発達障害があるというわけではありません。発達障害があっても、成長する過程で感情をコントロール術を習得されている人もいますし、発達障害がなくても様々な要因から感情コントロールが難しいと感じている人はいます。
発達障害があろうと、なかろうと、感情コントロールは人間関係を円滑にするうえでとても重要なスキルです。感情的になってしまうことで信頼関係が崩れ、修復が困難になってしまうケースもたくさんあります。
感情コントロールができないことで起こりうるリスク
感情的に自分の気持ちをぶつけることには様々なリスクがあります。
感情的になるということは、それが怒りであろうと、イライラであろうと、悲しみであろうと。表現することで身近な人へストレスを与えます。
感情的になることで、自分が伝えようとしている真意は伝わりづらくなります。
極端な感情表現はあなたが訴えたい出来事よりも、「怒ってた」「イライラしていた」「泣いていた」という感情そのものを相手に印象付けてしまいます。
例えば、自分の子供がとても悪いことをした。だからその悪いことを2度として欲しくないと思ったとします。
「それは悪いことだよ。そういうことをされると相手はこんな気持ちがするんだよ」
と冷静に伝えるのと、
「なんでそんなことをするの!!いつもダメだって言ってるでしょ!!!」と、感情的に伝えるのとでは、子供の印象に残ることの違いはどうでしょうか?
よほど内面的に成熟している子供でなければ、後者の言い方をされたら「怒られた」という印象しか残らないのではないでしょうか。
私自身も子供にわかって欲しいと思うことほど、感情的になってしまうことがあるのですが、そんな時、後で冷静になった時に「なんであの時、ママがあんなに怒ったのかわかる?」と尋ねると悲しいくらいに覚えていません。
怒りの感情コントロール法
感情的になることで良いことはないと分かっていても、ついカッとなり怒ってしまうことってありますよね。
「短気」という言葉があるように、気が短い人ほどカッとなりやすい傾向がありますが、その言葉の通り怒りは「相手をコントロールしたい」「早くいうことを聞かせたい」という動機から生じるものです。
つまり、相手を自分の思い通りにしたいということです。
相手が間違っていることを認めさせたい(謝らせたい)、
自分の意見が正しいことを分からせたい。
怒りの正体は大抵この感情からきます。
では、どうやってこの感情をコントロールしたら良いのでしょうか?
その場所から離れ、時間を置く
考える間もなく衝動的に怒ってしまう人にまず知って欲しいのは「怒りはコントロールができる」ということです。
「絶対に怒ることは止められない」そう思っている方は、その考えから、まず変えてみてください。
私自身、怒りは突発的なもので自分でコントロールすることは難しいと思っていました。でも、コントロールすることができると知って、怒りに対する考え方が変わりました。
突発的に、もしくは衝動的に怒りを感じた時には、それを口にする前にまず深呼吸し、可能であればその場から離れてください。
紙に書き出して整理をする
時間を置いても怒りがおさまらない時、どうしても納得のいかない時には、自分が何に対して怒っているのか、自分は何を望んでいて、それは自分になんとかできる問題なのかを整理します。
漠然としている感情を紙に書き出すことは、冷静さを取り戻し、感情の正体を具体的にするのにとても効果的な方法です。
視点を変えてみる
自分からの視点と、人から見ている視点は異なります。
自分から見ると十分に怒って良い状況だとしても、相手や、もしくは周囲からみた視点に立つと見えていなかった事実に気づけるかもしれません。
どのような物事も、視点を変えるとまた違う形が見えてきます。
視野を広げることで、怒る必要がなかったことに気づくことも多々あります。
怒りの裏にある感情にめをむけて、言葉にしてみる
怒りの裏にはどんな感情があるのでしょうか?
「なぜ怒ったのだろう?」というところです。
もしかしたら心配する気持ちが怒りに変わったかもしれませんし、悲しい気持ちかもしれません。
自分自身がいっぱいいっぱいでSOSが怒りとしてでいているかもしれませんし、人に「これを分かってもらいたい」という気持ちや、「謝って欲しい」という気持ちかもしれません。
それを、言葉にして出してみましょう。
自分でも「自分はこんな気持ちだったんだな」と、ハッとさせられるかもしれません。
イライラの感情コントロール法
イライラが続く時は、沸点が低くなり、些細なことでキレやすくなっている状況です。
そんな時に試して欲しいことをいくつかご紹介します。
頑張っている自分を認めよう
イライラしてしまう時にはまず、「自分は頑張りすぎていないかな?」ということを自問してください。その際に、人と比べる必要はありません。
自分の力以上に頑張ろうとはしていないでしょうか?できているかできていないかは置いておいて、頑張ろうとしていないでしょうか?
「自分は全然頑張れていない」
「できていない」
という気持ちが出てくるかもしれませんが、イライラは頑張りすぎのサインです。
ちょっとしたことでいいので、「今日は昨日よりも少し多く歩けたな」とか。「1分早く起きれた」とか。
ほんの少しでも頑張っている自分を見つけて、「あの人は全然してくれない」ではなく、「自分はこんなに頑張ってる。えらいなぁ」と、認めて褒めてください。
時間に余裕をもって行動する
時間に追われることは、実はものすごいプレッシャーを自分に与えています。
生活をなるべくシンプルに。ゆとりを持って過ごしましょう。
予定を詰め込まないよう、工夫をしましょう。
自分が喜ぶ時間を作ろう
好きなことをする時間や、癒してあげる時間は自分に優しく、そして人にも優しくなるために必要な時間です。自分を甘やかすことに罪悪感を抱く必要はありません。
マッサージや綺麗な景色を見る、人とのおしゃべりを楽しむなど、リフレッシュする時間を意識してとるようにすると、心に潤いと余裕が生まれます。
悲しみの感情コントロール法
ストレスが、怒りではなく悲しみという形で出る人がいます。
涙を流すことはストレス発散にはとても良い方法ですので、我慢をする必要はありませんが、職場などで感情的になってしまうと、業務に支障が出て迷惑をかけてしまうことになりかねません。
怒りと同じく、悲しみも根本となる感情を書いたり、話したりすることで整理することはとても有効です。
また、自分の感情が溢れ出す前に人に相談して聞いてもらうことができると、落ち着きを取り戻せるかもしれません。
悲しみの中にある時は大きなストレスを抱えている時だと思いますので、自分の中に溜め込まずに外に出せる場所を探しましょう。
まとめ
プラーナでは、自分の感情を書き出すことで客観的に自分を知り整理をするカリキュラムや、アンガーマネジメントなどを通して自分の感情との向き合い方、整理の仕方を学びます。
また、ご利用者様から発信があればいつでも相談を受け付けております。
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