仕事へ行くのが辛い。
メンタルの不調から、体調にさまざまな影響が出ていることを自覚しているけれど仕事を休めない。
そもそも、どう伝えて休んだら良いかがわからない。そんなお悩みをお持ちの方へ、今回はメンタルの不調でお仕事を休むときの職場への伝え方を、ビジネスマナーを意識した観点からお伝えいたします。
- メンタルの不調は早期に自覚し対処することが大切
- これは甘え!?メンタルの不調の具体的な事例
- メンタル不調で仕事を休む際に言ってはいけないNGワード
- メンタル不調で仕事を休む時にビジネスマナーを意識した伝え方のコツ
- メンタル不調で仕事を休むときの伝え方の例
- まとめ
メンタルの不調は早期に自覚し対処することが大切
「頑張れば仕事できる」「私が我慢すれば丸く収まる」「空気を読んでこの場を丸く収めなければ」
メンタルに不調をきたしやすい方は特にですが、周囲を思いやり我慢し頑張ってしまう性格の方が多いです。
そんな性格がゆえに、自分に対して厳しくなってしまったり、周囲と比べて同じようにやらないと、と気負ってしまったり、そもそも自分がとても頑張っていることに気がついていなかったり。
自分を甘やかすことができないからこそ、心が悲鳴をあげてしまいます。
けれど、どんな病気も同じだと思いますが、病は早く発見し早く対処することで早く解決することが多いです。
我慢すればするほど、治癒するまでに長い時間がかかるのです。
その場は丸く治っても、結果的には早く休んでいた方が大事にならなかった。というケースはたくさんあります。
これは甘え!?メンタルの不調の具体的な事例
「メンタルの不調では仕事は休めない」と思っている人の中には、「自分が甘えているだけなのでは?」と迷われている方もいるのではないでしょうか。
「これは病気ではなく甘えだ、だから仕事を休みたいなんてとても言えない」
もしくは周囲にそんな考え方を持っている人がいるのかもしれませんね。しかし、その考え方は自分を苦しめてしまいます。
では具体的に、メンタルに不調が起こるとどのような症状が出るのか、ほんの一例ですがご紹介します。
- 夜眠れなくなる(寝つきが悪くなる、度々目が覚め寝付けなくなる)
- 理由もなく涙が出る
こちらは弊社のカリキュラムの一つ、WRAPというカリキュラムで体調不良の注意サインというテーマでのご意見を伺った際にご利用者様から出てきたご意見です。
「こんな些細なこと?」と思われるかもしれません。
でも、これらの些細な注意サインを見逃して放置し、セルフケアや改善策を行わないでいると心の疲労が溜まっていき立ち上がることすらできなくなるケースもございます。
夜はよく眠れていますか?
ご飯は美味しく感じますか?
楽しいと思うこと、ワクワクすること、思いっきり笑うことはありますか?
自分自身をよく見つめてみてください。
メンタル不調で仕事を休む際に言ってはいけないNGワード
「仕事を休みたい」というその目的を達するにも、どのように伝えるのか、その伝え方によって印象が変わります。
ここでは言ってはいけない言葉や言い回しをみてみましょう
①人のせいにする
職場のストレスが体調不良の原因でそれを溜め込めていると、次第と「あの人が悪いんだ」と、つい周囲の人や特定の人に対して思ってしまうことがあります。けれど仕事を休む際に自分の体調不良を他人のせいにすることは、百害あって一利なし。良いことは何もありませんし、今後のお仕事がやりにくくなることはあっても、やりやすくなることは無いので、原因追求するのは控えましょう。
②曖昧な理由を伝える
「体調が悪いのでお休みさせてください」などの曖昧な理由は不信感につながります。
1日だけのお休みならまだしも、仮にそれが数日間続くと「一体どこが悪いの?」と思われてしまいます。会社側も、お休みの理由がよくわからないので、見通しが立てられないのです。
お休みの理由が具体的であればあるほど、「大体このくらいはお休みするのかな」という見通しを立てることができます。「曖昧な伝え方でなければどのように伝えたらいいのだろう?」と思う方は後で伝え方のコツもお伝えしますので、ご参考になさってください。
③お休みを自分で決める
「今日は休みます」「○日まで休ませてください」など、自己決定するのはNGです。
断言されてしまうと上司によってはそのままOKしてしまうかもしれませんが、たとえOKしたとしても信頼感は薄れます。契約上、お仕事すると決まっている日にお休みをいただく訳ですから、しっかりと事情を話し、相談し、両者が合意した上でお休みする必要があります。
メンタル不調で仕事を休む時にビジネスマナーを意識した伝え方のコツ
お休みをいただくことで、会社の同僚との人間関係がうまくいかなくなった。
メンタルの不調のために上司や同僚から距離を置かれるようになった。そんなケースもよくございます。メンタル不調になったことで仕事のパフォーマンスが落ち、上司や同僚からの信頼、評価も落ちてしまう。そういったことにならないためにお休みをいただくのですから、上手な伝え方をマスターしてトラブルはできるだけ回避したいですよね。
メンタルの不調で仕事を休むときの伝え方のコツについてお伝えします。
症状を具体的に伝える
NGワードのところで、曖昧な伝え方はNGだとお伝えしました。メンタルに不調があるということを伝えるか伝えないかは別にしても、自分にどんな症状があるのかはお伝えする必要があります。
「夜全く眠ることができず、食欲がない」「頭痛がありイライラしている」
など、自分が仕事ができないと思う理由とそのことからお仕事のパフォーマンスが落ちてしまうことも伝えましょう。
病院へ行く等、体調回復のために自分にできること、やろうと思っていることを伝える
休んでいる間にも、会社に行くための努力をしていることをアピールすることはとても大切です。
最も基本となるのが、病院の受診です。会社はあなたがどのくらいお休みが必要なのか、出社することが可能な状態なのかどうかを知りたいですので、まず病院へ行くよう促す職場も多いでしょう。もしもそのような促しがなかったとしても、病院を受診し薬を出してもらったり、はっきりとした原因がわからなくとも、お医者様からいただいたアドバイスを会社に伝えることで会社もあなたの症状を理解しやすくなります。お休みをいただいて病院へ行った時には必ず、その結果報告も会社にするのを忘れないようにしましょう。
また病院を受診するほど症状がひどくないのであれば、「今日は自宅でゆっくり休息をとり明日は出社できるようにします」など、今後の見通しをお伝えしましょう。
どのくらいの期間休みたいのかは、伺い口調で伝える
1日休んで体調が回復するのであれば良いのですが、症状によっては数日間お休みが必要になる場合もあると思います。
お休みが続いてしまう時には、やはり病院の診断やお医者様のアドバイスが必要となりますが、お医者様よりしばらく休むよう言われた時にも、「○日間お休みします」など、決定口調で伝えるのではなく、伺い口調で尋ねるのが、ビジネスマナーとしては良い伝え方です。
伺い口調とは、「〇〇してもよろしいですか?」「〇〇させていただけますか?」など、相手の意向を尋ねる口調です。
「病院を受診したところ、先生より最低○日間は仕事をお休みした方が良いとアドバイスがありました。大変申し訳ございませんが、○日間お休みさせていただくことはできますでしょうか。」など、会社の意向を尋ね、相談をする姿勢で伝えましょう。
自分が休むことで仕事に支障が出る場合には引き継ぎをする
自分が担当している業務、自分に責任のある業務がある場合には職場の同僚や分かる人に引き継ぐなど、穴を埋められるよう気を配る、伝えなければならないことはしっかりと伝えてあると、お休みしている間にフォローしてくださる職員の方が困らずに済みます。
ついつい忘れてしまいがちですが、引き継ぎがしっかりできているのといないのとでは同僚に与える印象も大きく変わりますので、お休みされる前には改めてご自身の仕事内容で伝えておかないといけないことがないかを確認しましょう
謝罪をする、申し訳なく思っていることを伝える。復帰した際には感謝を
体調不良は仕方のないことです。元気でお仕事に行くことができれば何よりだと思いますが、それでも、お休みすることで職場の方に迷惑をかけることは変わりません。お休みしたくてしている訳ではないと思いますが、申し訳ないと思っている気持ちを伝えることでフォローをしてくださる方々も快く引き受けやすくなります。
また、お休み明けには必ず感謝をお伝えすることも忘れずに。
メンタル不調で仕事を休むときの伝え方の例
コツは分かったけれど、実際に伝えるのは難しい。そう思われる方のために例文もご用意いたしました。
電話で伝える場合とメールで伝える場合と2パターン記載しております。一般的には、急なお休みの連絡はいち早く確実に伝えることが大切なので、始業時間前に電話で伝えることが多いかと思いますが、職場によっては始業時間前に電話は繋がらなかったり、責任者の方が電話は対応できずメールでの連絡を推奨している職場もありますので、相手に配慮した方法でお伝えするのが良いでしょう。
メンタル不調で仕事を休む連絡を電話でするときの例
通院のため1日お休みが欲しい場合
「おはようございます。〇〇(会社名)〇〇課(部署名)の〇〇と申します。ここ数日体調が優れない日が続いていまして、(今日のみの突発的な症状ではないことを伝える)昨日は夜なかなか寝付けず睡眠時間が○時間ほどで、今朝は食欲がなく布団から出るのが辛い状況です。(自分の症状を具体的に伝える)ご迷惑をおかけして大変申し訳ないのですが、本日一日お休みを頂き病院でお医者様のアドバイスをいただく方が良いかと思っています。お忙しいところ恐縮ですが、本日お休みさせていただくことはできますでしょうか?」
通院したら数日間お休みする方が良いと言われた場合
「お疲れ様です。〇〇(会社名)〇〇課(部署名)の〇〇と申します。先ほど病院を受診してきましたところ、医師よりストレスによる体調不良の症状が多々あるため、可能であれば数日間お休みをするようアドバイスをいただきました。(自己判断ではなくお医者様からのアドバイスであると伝える)私としましても、数日間お休みをいただき、自分の体調を整え、元気が回復した状態でお仕事に臨むことが今の自分に必要だと感じております(自分の意見も伝える)。
皆様にはご迷惑をおかけして大変申し訳ないのですが、○日までお休みをいただくことは可能でしょうか?(謝罪と期日をはっきりと伝える)」
心の不調が原因の体調不良は、いつまで休めば回復するということがはっきりと分かるものではありませんし、身体的な体調不良に比べ回復までに時間がかかるケースが多いです。ですので、嘘をついて休んだり、曖昧な伝え方で休むと信頼関係を損ねる恐れがあります。勇気がいるかもしれませんが、自分の症状は正直にお伝えしましょう。弊社が行なっている就労定着サービスでは、自分からは伝えにくい症状や不安、お困りごとをご本人から聞き取り、企業様へ定着支援サービススタッフがお伝えするという支援も行っております。「どうしても自分からは上手く話せない」といったお困りごとがある場合は、就労定着支援サービスの利用も検討してみると良いかもしれません。
メンタル不調で仕事を休む連絡をメールでするときの例
「おはようございます。〇〇(会社名)〇〇課(部署名)の〇〇と申します。
朝早くからメール失礼いたします。本日の勤務についてご相談がありメール致しました。
ここ数日体調の優れない日が続いておりまして、(今日のみの突発的な症状ではないことを伝える)昨日は夜なかなか寝付けず睡眠時間が○時間でした。今朝は食欲がなく布団から出るのが辛い状況です。(自分の症状を具体的に伝える)ご迷惑をおかけして大変申し訳ないのですが、本日一日お休みを頂き病院でお医者様のアドバイスをいただく方が良いかと思っております。通院のため本日お休みさせていただくことはできますでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。」
内容としては電話もメールも、抑えておきたいポイントは変わらないのですが、メールではより丁寧な言葉遣いを心がけましょう。声の調子や相手の様子が伝わりにくい分、丁寧さが一層重要になります。
まとめ
メンタル面での体調不良は特に、人に知られたくないという気持ちが生じてしまいますよね。
悩んで無理して働き続けるよりも、なるべく早く正直に相談することで味方が増えたり、理解者が増えることで働きやすくなる事もあります。「どうしても自分からは伝えられない」という方は、就労定着支援サービスなどの民間のサービスを利用して上手にお仕事やご自身の体調と付き合っていくのも一つの方法です。
―次に繋げる―
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