働けなくなったらまずどこへ相談すればよい?
精神的な疾患があったときにどうしたらよいのか。こんな悩みはやたらに人に話せることではありませんし、知識のない方に相談して情報過多になり混乱をしたり、誤った情報を信じて前へ進めないということも起こり得ます。
病気に関する知識や、受けられるサポートの条件など、専門的な知識が必要となりますので「このことに関してはここへ相談」と、相談できる場所を複数みつけておくととても心強いです。
お困りごとに対してのアドバイスを受けられる場所についていくつかご紹介いたします。
相性の良い病院の先生を見つけよう
精神的な疾患は自分の力だけで回復するには時間がかかりすぎてしまったり、症状が悪化した時にコントロールができなかったりという一面があります。
「あ、症状良くなってきた」と思った次の日にものすごく体調が悪化することもよくあります。
まずは病気の専門家、精神科や心療内科で相談をしてみましょう。精神疾患であれば精神科、心療内科、どちらでも治療をおこなってくれますが、大きな違いとしては心療内科は主に精神的負荷から現れる身体的症状に対する治療を主に扱っており、精神科は幻聴や不安、意欲の低下や気分の変動、うつ症状などの精神的な症状に対する治療を行っています。
カウンセリングをメインとして行う病院もあれば、症状に対して薬を処方することをメインに行う病院もあります。自分の希望にあった病院を見つけましょう。
とても個人的な話やお困りごとを相談することになると思いますので、「話しやすい」と思える先生のいる病院が一番良いです。
気持ちが楽になる、通院することに負担を感じない。処方やアドバイスが的確など、何度か通院して継続してみないとわからないこともあるかと思いますが、通院を決めたらぜひ先生を信頼してアドバイスに従うこともとても大切です。
お住まいの自治体にある相談窓口(自立相談支援事業)
自立相談支援事業は、生活困窮者からの相談に早期かつ包括的に応ずる相談窓口となります。ここでは、生活困窮者の抱えている課題を適切に評価・分析(アセスメント)し、その課題を踏まえた「自立支援計画」を作成するなどの支援を行います。また、関係機関との連絡調整や支援の実施状況の確認なども行います。
厚生労働省ホームページより
困りことがたくさんあるけれど、何から始めたら良いかわからない。そもそもどんな制度があるのかもわからない。
と、総合的な相談をしたいと思っている方はお住まいの自治体にある相談窓口へ足を運ぶのがおすすめです。
経済的に困っていて支援を受けたい、病気の症状が重く家事や食事など、生活全般に関することを行うことが難しい、体調が整ってきたが就職活動をするには負荷がかかりすぎて体調悪化が心配。など、ご自身の状況や状態によっても必要となる支援が異なると思いますので、どんな支援を受けられるか、そのためにはどうしたら良いか相談できます。
お住まいの地域の生活に関する相談窓口一覧はこちらからご覧ください(令和4年6月1日現在)
相談支援事業所
市区町村が行なっている自立相談支援と同じ役割を担っている相談支援事業所があります。
精神障害や知的障害、発達障害などの障害がある方やそのご家族に対して行なっている支援で障害をお持ちの方の受給者証があれば収入がなくても利用が可能です。
受給者証がなかったとしても、支援を受けるためにどのような手続きを行ったらよいか、どんな支援が自分にあっているか、生活の中でのお困りごとを相談することができます。
相談支援には「基本相談支援」、「計画相談支援」、「地域相談支援」、「障害児相談支援」の4種類があり、お困りごとに応じて相談に乗ってくれます。
精神疾患により働くことが困難になったときに受けられる経済的支援とその条件
相談に行くにも、エネルギーと体力が必要です。
恐らく体調を崩した直後はそのエネルギーを使うのも一苦労だと思います。
経済的な困窮は特に、将来に対する不安や絶望といった感情が生まれやすいですし、そのように感じてしまうのは仕方ありません。
今までお仕事をしてきた期間や状況により受けられる手当は異なりますが、経済的な不安の解消や心のゆとりにもつながりますので、受けられる手当は受給を検討することをお勧めします。
傷病手当
傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、病気やけがのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。
全国健康保険協会ホームページより
病気になったときに社会保険に加入しており、出勤できない日数が3日間あった場合に4日目より傷病手当を受給することができます。
ただし、以下の条件に当てはまると手当を受けることができないのでご注意ください
- 給料の支払いが満額ある
- 障害厚生年金もしくは障害手当金を受給している
- 老齢退職年金を受給している
- 過去に労災保険から休業補償給付を受けていて、休業補償給付と同一の病気やけがのために労務不能となった
- 出産手当金を同時期に受けている
- 仕事を原因とした体調不良の場合(健康保険ではなく労災が適用されます)
給料や年金、出産手当が支給されている場合であっても、傷病手当金よりも額が少ない場合には差額分を支給されますので、申請することができます。また、国民健康保険加入の方は受給できないのでご注意ください。
傷病手当は支給を開始した日から通算して1年6ヶ月は支給可能ですが、受給中に退職し被保険者の資格を喪失した場合、退職日までに1年以上の被保険者期間があり(途中転職している場合は除く)、かつ被保険者資格を喪失した日に傷病手当を既に受給している、もしくは受給条件を満たしている場合には退職後にも傷病手当は支給されます。
自立支援医療制度
自立支援医療制度は、心身の障害を除去、軽減するための医療について医療費の自己負担額を軽減するための公費医療負担制度です。
精神通院医療や更生医療、育成医療などを受けている方であればこちらの制度が適用されます。
世帯の所得や収入がいくらあらあるか(納税額)により区分が分けられ、適用医療にかかる自己負担が変わります。
こちらの制度を受ける窓口も市区町村にあります障害福祉課になるので、相談へいった際に手続きを行うと良いでしょう。
障害年金
障害年金は保険のようなもので加入中(国民年金・厚生年金・共済年金など)の病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、年齢に関係なく請求することができます。
ただし、年金の納入の状況によっては請求できない場合がありますのでご注意ください
- 年金保険に加入期間の3分の2以上は年金を納めている
- 上の条件を満たさない場合、直近1年間は滞納がない
障害年金の対象となる病気やケガは、手足の障害などの外部障害のほか、精神障害やがん、糖尿病などの内部障害も対象になります。
障害厚生年金は、老齢年金同様その人の平均標準報酬額(厚生年金保険料の計算の元となる額)や年金に加入していた期間などによって年金額は変わりますが年金を受給しつつ無理のない範囲でのお仕事をすることも可能です。
国民年金に関しての窓口は役所、厚生年金はお近くの厚生年金事務所など、ご自身が加入している年金保険に合わせてご相談をしてみてください。
失業手当
失業した日の過去2年間の間で、雇用保険に加入していた期間が通算1年以上ある場合には失業保険の手続きをハローワークにて行うことができます。
ただし、
- 家業や家事の手伝いをしている
- 学業に専念する
- すでに次の就職先が決まっており、転職活動をする予定がない
- 自営業を始めた(準備を含む)
- 会社や団体などの役員に就任、もしくは就任する予定(名義だけの場合も含む。活動や報酬がない場合は、現住所がある市区町村を管轄するハローワークに要確認)
などの状態の場合には失業とは認められず手当を受けることができません。
しかし、病気・ケガなどのためすぐに働けないけれど、ドクターストップはかかっておらず転職活動ができるようであれば転職活動をしながら失業手当をもらうこともできます。
失業手当に関してはお近くのハローワークで相談をすると良いでしょう。
労災保険
業務とは関係ない病気や怪我などによって働くことが困難になった場合には傷病手当を申請できると記載しましたが、逆に業務を原因とした病気、怪我の場合には労災保険が適用となります。
精神的な病気の場合は複数の要因から引き起こされることが多く、必ずしも仕事が原因とは言い切りにくい面があります。
自分のケースが労災にあたるのかどうか、判断し難い。。という場合には会社とも相談の上どのような手続きを進めるか決めると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
日本にもさまざまなな福祉制度がありますね。誰かの助けが必要な時は誰しもあると思います。
それが悔しく、自分の無力さを感じることもあるかと思いますが、元気になったときに誰かに返せば良い。今差し伸べられている助けに感謝をして
働けるようになったら、たくさん税金を納めよう、それを目標に一歩一歩を歩んでいったらいいのかなと、個人的には思います。
―次に繋げる―
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