※写真はイメージです
アスペルガー症候群 20代男性 Cさん
プラーナ宮崎利用期間 23ヶ月
「とりあえず、動く!」
今回は、就職事例としてインタビューをさせていただきました、Cさんについて、紹介していきたいと思います。
支援員A
「Cさん、長期の就職活動お疲れ様でした。準備をしていく中で、さまざまな出来事がありましたね。」
Cさん
「そうですね。自分でも振り返ってみるとジェットコースターみたいに急激に(気持ちが)下がったり、上がったりしてました。」
支援員A
「そうでしたね。そのジェットコースターみたいな就職活動をぜひみなさんに共有していただくために、インタビューをさせてください。」
Cさん
「よろしくお願いします。」
と、このように、今では元気よく話されるCさんは、実は、2つの高校を人間関係や自身の障害により中退し、16歳から自宅で過ごす、いわゆる「引きこもり」になっていました。
一人で外出して、外食したり、人と会うことが怖いことから、なかなか外に出ることができませんでした。
このままでは、ダメだ「とりあえず、動く!」と心に何回も言い聞かせて、飲食系のバイトを始めては、1ヶ月でやめたり、4箇所ほどの就労継続支援A、B型を見学したが、利用には至らなかった。
「動く」ことはできるが、失敗が続いて自己肯定感がだんだんと低くなっていきました。
そんなCさんがどのようにプラーナと出会い、自身の課題と向き合い、そして就職に繋がったのかを紹介していきます。
目次
- 01.就労移行支援プラーナ宮崎との出会い
- 02.利用開始!だけど、なかなか思うように進まない
- 03.就職活動中での心の変動にについて
- 04.就職、そして現在
- 05.今後の目標と就職活動をしている方にメッセージ
01.就労移行支援プラーナ宮崎との出会い
Cさんが21歳のことです。
16歳からずっと自宅で過ごすCさんの姿を見て、心配になった彼の母親が発達障害に関する説明会に参加され、さまざまな事業所に相談をしていました。Cさんを外に出て活動ができるよう支援をお願いしていく中で、説明会でブースを出していた「就労移行支援事業所プラーナ」と出会いました。
当時のCさんは、人と会うために外出することがとても苦手でした。
しかし、「動きたい、働きたい」という思いがありました。
けど、何をすれば良いのか、何から手をつければいいのかがわからない状態でした。
そこで、当時のプラーナ職員が「出張プラーナ」として、彼の自宅に赴き、Cさんの今の気持ち、自分は何をしたいのか、彼の中で渦巻く考えの聞き取りを行いました。
その時に、今までの彼の課題として、出てきたのが
「変化が苦手」
彼は、今まで、身の回りの環境の変化や、他の人の変化、スケジュールの変化、自身の変化、自分の意図していたことと違う変化に対して、不安が強くなり、物事を続けることが困難になっていました。
これは、アスペルガー症候群の特性の一つです。
「見通しの立たない状況では不安が強いが、見通しが立つ時はきっちりしている。」
※厚生労働省「障害者差別解消法福祉事業者向けガイドライン」を参考に記載してます。
他の言い方をしますと、
「自分にとって想定外のことが起きてしまうと、パニックに陥ってしまう」になります。
そこで、プラーナ宮崎は、数ヶ月ほど訪問を繰り返すことで、
「Cさんのペースに合わせて、週1日からの利用でも大丈夫。徐々に就職活動に取り組みましょう」と提案しました。
Cさんにとって、このペースなら自分にできると感じ、何度も体験を繰り返して、就労移行支援プラーナ宮崎の利用を開始しました。
02.利用開始!だけど、なかなか思うように進まない
利用を決心し、いざ通所して、就労に向けての準備を始めたが、なかなか思うように進みませんでした。
利用開始から、Cさんを阻む大きな壁である
「変化が苦手」
がありました。
施設の雰囲気、他の利用者、今までとは違うスケジュール、今までとは違う生活スタイルなどと、変化のラッシュがありました。
しかし、Cさんは「とりあえず、動く!」という思いから、乗り越えることができたのと、2つの対策を事前に立てていました。
主に行なった対策は、2つです。
1つ目は、「プラーナ職員と相談して、利用ペースを調整する。」
2つ目は、「日々、記録した日報の振り返りをする。」
1つ目の「プラーナ職員と相談して、利用ペースを調整する。」
初めてのことは、誰だって不安になります。その不安を他の人に伝え、相談ができるかがポイントになります。
一人で考え込んで、動かなくなってしまっては、どうしようもできません。
Cさんには、その相談するスキルがありました。
初めは、日常会話などの雑談しかできなかったが、徐々に自身の悩み、気になることを職員に発信をすることができるようになりました。
2つ目の「日々、記録した日報の振り返りをする。」
日常的に襲ってくる「変化」に対する気持ちの変化を毎日、日報に記録していきました。
その日報を見て、振り返ってみると
「気持ちが変化したこと=成長したこと」
であることの気付きにつながり、自信になっていました。
そこからの、Cさんは、変化に慣れるスピードが早くなっていきました。
しかし、まだCさんにはさまざまな課題が残っていました。
03.就職活動中での心の変動について
就職活動 挫折編
Cさんは、2つの対策をもとに精神面、生活面、対人関係面で安定してきました。
そこで、就職活動に向けて、徐々に準備の方を始めていきました。
初めは、順調に企業見学を職員と行なったり、企業実習に取り組まれたりしました。
しかし、見学や実習を行っていく中で、彼の中で「働くことが大変」というマイナスの気持ちが大きくなっていきました。
そして、その気持ちが爆発してしまい、自暴自棄になり、通所が不安定になりました。
この時、彼は清掃業の実習に取り組まれていて、「働くことの大変さ」、「働く覚悟が自分にはない」と先の不安に集中をしてしまっていました。
不安が募りに募ってしまい、「働きたくない」とまで、気持ちが落ちてしまいました。
就職活動 復帰編
実習や見学を通して、働くことについて不安を感じてしまい、自暴自棄に入ってしまったCさん。
通所が安定しない日々が続いていたが、彼は、「自己発信」を忘れていませんでした。
就労移行支援プラーナ宮崎を利用していく中で、Cさんは自身の気持ちを外に発信するスキルを身につけることができていました。
自分の働くことについての気持ち、希望職種、家庭の事情など、自身の気持ちを職員に発信することで、職員からの助言を受けるだけではなく、自分の中でのモヤモヤが整理されていきました。
この時期に、Cさんは、気持ちの整理をするためにしばらく就職活動を休みました。
休んだことによって、彼の中での「働き方」について、まとめることができました。
そして、彼の希望職種に近い求人を職員から紹介をいただき、何度も面談を重ねて実習に参加しました。
その実習の中で、Cさんは今までの自身の経験を全て発揮し、企業側から高評価を得ることができ、面接に進むことができました。
Cさんは、面接で気をつけたことは「嘘をつかずに、正直に答える」ことでした。
彼の経験から、「自身の気持ちを隠して、物事を進めても、自分が苦労するだけだ」と、就労移行支援プラーナを利用していく中で気付くことができました。
実習前に、職員と一緒に自身の障害について自己分析をし、自己理解を深めて対策も行うことで、企業側にどのような合理的配慮が必要なのかを伝えることができました。
結果は、採用になりました。
約2年間も続いた就職活動に幕を閉じた。
04.就職、そして現在
就職が決まり、初めは緊張はあったが、Cさんは安堵していました。
その理由は、2つありました。
1つ目は、
「徐々に職場環境を合わせていける」と企業側の方から合理的配慮をいただけたことです。
彼の生涯の課題である「環境の変化」について不安は少なからずありました。
しかし、面接や実習、個別面談を通して、企業側に自分から「自分の苦手なこと」を発信することで、自身の障害について理解をしていただき、合理的配慮を頂くことができました。
2つ目は、
「相談がしやすい体制」であることです。
入社する前から、実習を通して、企業側の担当の人、先輩社員と良好な人間関係の構築を作ることができていたCさん。
さらに、相談支援専門員、就労移行支援事業所に相談をすることができていたため、もし何かがあった時の為に、サポートをしてくれる存在がいることを知っているCさんにとっては、とても働きやすい環境です。
それでもCさんは「初心を忘れず、また1からスタート」を意識して、自分から積極的にコミュニケーションを取っているとのことです。
05.今後の目標と就職活動をしている方にメッセージ
Cさんは、現在は就職されて5ヶ月経っています。
※この就職事例ブログがアップされた時点
彼の今後の目標は
「新しい業務を覚えて、就労時間を延ばしたい」
この言葉は、入所当初のCさんだったら、聞くことのないセリフでした。
この2年間に及ぶ就職活動の中で、「自分に自信がついた」証拠かもしれません。
これからも、成長できることがCさんのモチベーションに繋がっているのでしょう。
さらに、プライベートでの目標を聞きますと
「一人で外食に行きたい!」
以前は、なかなか一人で外出するのが怖くて、外食にいくことができませんでしたが、就職してから、外に出る機会が増えてきて、気になるお店がたくさんあると話されていました。
最近は、一人カラオケにも行かれていると話を聞き、少しずつ自身の苦手なことにチャレンジされていることがわかりました。
最後に、Cさんから就職活動を頑張っている人たちにメッセージです。
「感謝の気持ちを忘れないでほしい」
生きていく中で、いろんな人に支えられています。
その人たちに「ありがとう」と感謝の気持ちを持ってください。
そうすると、良いように物事が動いていきます。
就労移行支援事業所に入る前に、多くの失敗を経験し、自分に対する自信を無くしていき、自己肯定感が低くなることでさらに、失敗を重ねる負の連鎖にハマっていたCさん。
しかし、プラーナに入所してからは、失敗はするものの、周りの人に支えられ、徐々に成功体験を増やすことで、自信を取り戻し、就職に繋がり、そして社会に出ることができたから、この言葉が出てきたのかもしれません。
一人で、悩むことはないです。
Cさんと同じように、自身の障害でお悩みのある方は、まずは周りの人に相談をしてみましょう。
最後まで、読んでいただきありがとうございました。
―次に繋げる―
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