こんにちは、就労移行支援事業所プラーナ八戸です。
皆さんは、仕事をするうえで大切なことと聞くと、何を思い浮かべますか?
「仕事を正確に行うこと」「時間やルールを守ること」「報告・連絡・相談をすること」「挨拶をすること」など、さまざまなことが挙げられると思います。
もちろん、どれも働くうえで欠かせない大切な力です。
しかし、仕事は一人ですべてを完結させるものではありません。上司や同僚、取引先、お客様など、多くの人と関わり、助けたり助けられたりしながら進めていきます。
そこで今回、プラーナ八戸では「感謝すること」をテーマにしたカリキュラムを実施しました。
キーワードは、
「感謝は、人柄ではなく“仕事のスキル”」
です。
今回は、実際に行ったカリキュラムの内容とともに、「ありがとう」を伝えることが仕事にどのようにつながっていくのかをご紹介します。
<目次>
1.なぜ仕事で「感謝すること」が大切なの?

今回のカリキュラムでは、まず利用者の皆さんに、
「仕事で大切なことは何だと思いますか?」
と問いかけるところからスタートしました。
仕事の正確さやスピード、挨拶、コミュニケーション、報告・連絡・相談など、働くうえで求められる力はたくさんあります。
そのうえで、もう一つ質問しました。
「仕事ができる人であれば、『ありがとう』を言わなくてもいいでしょうか?」
仕事というと、「与えられた業務をきちんとこなすこと」に意識が向きやすいかもしれません。しかし、実際の職場では自分一人だけで仕事を進めることはほとんどありません。
例えば、
「仕事のやり方を教えてもらう」
「必要な道具や材料を準備してもらう」
「困っているときに手伝ってもらう」
「ミスをしたときにフォローしてもらう」
「自分の報告や相談を聞いてもらう」
など、日々の仕事の中には誰かの支えがたくさんあります。
これはプラーナ八戸で実施している「業務体験」のカリキュラムでも同じです。
業務体験では、実際の職場を想定したさまざまな作業に取り組みます。その中では、作業を正確に行う力だけでなく、分からないことを質問する、終了したら報告する、ミスがあったら相談する、周囲と協力するといった「働くために必要な行動」も練習しています。
振り返ってみると、そこにもたくさんの「誰かにしてもらったこと」があります。
そこで今回は、
「もし誰も助けてくれなかったら、仕事はどうなるだろう?」
ということも皆さんと一緒に考えました。
仕事は「一人で頑張るもの」ではなく、周囲の人と支え合いながら進めていくものです。
だからこそ、助けてもらったときに「ありがとうございます」と伝えることも、働くうえで大切なコミュニケーションの一つなのです。
2.実践!「感謝状」を書いて気持ちを伝えてみよう

今回のカリキュラムでは、話を聞いて終わるのではなく、実際に「感謝を伝える」体験をしていただきました。
取り組んだのは、
「誰か一人に感謝状を書いてみよう!」
というワークです。
感謝を伝える相手は、利用者さん同士でも、スタッフでも、家族や友人でも構いません。
「業務体験で困っているときに教えてもらった」
「いつも声をかけてもらっている」
「一緒に作業をしてもらった」
「話を聞いてもらった」
など、これまでの出来事を振り返りながら、感謝を伝えたい相手を考えていただきました。
感謝状を書くときに大切にしたのは、単に
「ありがとうございました」
だけで終わらせないことです。
「誰に」「何をしてもらったのか」「そのとき自分はどう感じたのか」をできるだけ具体的に書いていただきました。
例えば、
「カリキュラムでやり方が分からなかったときに、優しく教えてくださりありがとうございました。緊張していましたが、安心して作業することができました」
といった形です。
具体的に言葉にすることで、自分がどのような場面で人に助けてもらっていたのかを改めて振り返ることができます。
そして、完成した感謝状は、可能な範囲で実際に相手へ渡していただきました。
ここでもう一つ、大切な振り返りを行いました。
感謝を伝えた人には、
「ありがとうを伝えてみて、どんな気持ちになりましたか?」
感謝された人には、
「ありがとうと言われて、どんな気持ちになりましたか?」
と質問しました。
「嬉しかった」「少し恥ずかしかった」「照れた」「言ってもらえてよかった」「また頑張ろうと思った」など、人によって感じ方はさまざまです。
大切なのは、「感謝する」という行動が、自分だけでなく相手の気持ちにも影響を与えることを実際に体験することです。
頭で理解するだけでなく、実際に言葉にして伝え、相手の反応を見る。
プラーナ八戸では、このような体験を通した学びも大切にしています。
3.「ありがとう」から考える、働きやすい職場とは?

感謝状のワークを行った後は、その経験を実際の仕事へ置き換えて考えました。
例えば、職場で忙しい先輩が時間をつくって仕事を教えてくれたとします。
教えてもらった後に何も言わずに仕事へ戻る人と、
「教えていただき、ありがとうございました!」
と伝える人。
「また何かあったら教えてあげよう」「困っていたら声をかけよう」と感じてもらいやすいのは、どちらでしょうか。
もちろん、「ありがとうを言えば必ず助けてもらえる」という単純な話ではありません。
しかし、日頃から挨拶や感謝を伝え合うことは、相手との関係をつくっていく小さな積み重ねになります。
今回のカリキュラムでは、
感謝する
↓
相手が嬉しい
↓
信頼関係が生まれる
↓
相談や質問がしやすくなる
↓
お互いに助け合いやすくなる
↓
働きやすい職場につながる
という流れについても皆さんと確認しました。
就職後、「分からないことがあるけれど質問できない」「ミスをしてしまったけれど報告できない」といった状況は、仕事を続けるうえで大きな困りごとにつながることがあります。
そのため、仕事の技術だけではなく、周囲の人とコミュニケーションを取り、必要なときに助けを求められる関係をつくることも、とても大切です。
その第一歩となるのが、挨拶や返事、そして「ありがとうございます」といった日常的なコミュニケーションです。
プラーナ八戸の業務体験でも、作業そのものができているかだけを見ているわけではありません。
「物を受け取ったときにお礼を伝えられるか」
「教えてもらったときに反応を返せるか」
「困ったときに相談できるか」
「ミスをした後に報告し、適切な行動を取れるか」
など、実際に働いたときに必要となるコミュニケーションや行動についても練習しています。
今回の「感謝すること」も、その一つです。
最後には、「今日からできること」を一人ひとり考えていただきました。
「助けてもらったら、ありがとうを言う」
「家族にも感謝を伝えてみる」
「実習先で教えてもらったら、お礼を伝える」
「一日の終わりに、感謝できることを一つ思い出してみる」
など、大きな目標ではなく、日常生活や今後の実習・就職先でも続けられる小さな行動からスタートします。
こうした小さな行動を繰り返し、少しずつ「働くための習慣」にしていくことを目指しています。
4.まとめ ~感謝も働くために身につけたいスキルのひとつ~
今回のカリキュラムでは、「感謝すること」をテーマに、これまでの業務体験を振り返りながら、実際に感謝状を書いて相手へ気持ちを伝えるワークに取り組みました。
「ありがとう」は、とても短く、普段から耳にする言葉です。
しかし、仕事という視点から考えてみると、そこには大切な意味があります。
感謝を伝えることは相手への敬意を示すことにつながり、日々のコミュニケーションを積み重ねることは、職場での信頼関係づくりにもつながります。
そして信頼できる人間関係があれば、困ったときに相談したり、分からないことを質問したり、お互いに協力したりしやすくなります。
そのため私たちは、感謝を単なる「人柄の良さ」として考えるのではなく、
「働くために身につけておきたいスキルの一つ」
として捉えています。
就職するためには、履歴書を書くことや面接練習、パソコン操作、作業能力を高めることなど、さまざまな準備が必要です。
一方で、就職はゴールではありません。
大切なのは、その先で自分らしく働き続けていくことです。
プラーナ八戸では、実際の職場を想定した業務体験やSST・JSTなどのカリキュラムを通して、作業スキルだけでなく、挨拶、報告・連絡・相談、質問の仕方、気持ちの伝え方、周囲との協力など、「就職した後にも役立つ力」を身につけるための支援を行っています。
「働いた経験が少なくて不安」
「職場の人間関係がうまくいくか心配」
「就職しても長く続けられるか自信がない」
そんな不安をお持ちの方も、一つひとつ練習していくことができます。
今回のカリキュラムで経験した「ありがとう」も、その小さな一歩です。
これからもプラーナ八戸では、利用者の皆さんが就職することだけを目標とするのではなく、就職後も周囲の人と良い関係を築きながら、自分らしく働き続けるための力を身につけられるよう、実践的なカリキュラムを行ってまいります。
今日、あなたが「ありがとう」と伝えたい人は誰ですか?
その一言が、働きやすい関係をつくる第一歩になるかもしれません。
―次に繋げる―
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