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発達障害や自閉症がある人のパートナーや伴侶が陥りやすいカサンドラ症候群とは

発達障害や自閉症がある人のパートナーや伴侶が陥りやすいカサンドラ症候群とは

昨今、数十年前に比べ知識が広がったことで身近になってきている発達障害。

大人になるまで気づかない人も多くいますが、現代では医療の現場や、保護者、保育園や幼稚園など職員の間でも認識、知識が深まることで、幼少期に療育、教育を受けることができる手段も増えつつあります。

どのような障がいも、認識し、受け入れることが対処方法を見つける一歩になりますが、自分自身でも障がいがあることに気づけない、受け入れられないこともあります。

特に発達障害は、目にみてわかりにくく社会の中で適応できていたら問題ないとご本人は感じるかもしれません。

ただ、社会では意識し気をつけることができていても、自分の素が出る家庭の中では、ご本人よりもパートナーや子供に大きな負担を与えている可能性もあります。

 

今回は、そのような身近な人に発達障害があることで陥ることのある「カサンドラ症候群」について書いていきます。

 

 

 

カサンドラ症候群とは

カサンドラ症候群とは

自覚してるかしていないかに関わらず、身近な人が発達障害であるために情緒的な交流が乏しくなり、うまくコミュニケーションが取れず、すれ違いや孤立、孤独を感じている状態のことをカサンドラ症候群と言います。

発達障害の方が受ける苦しみを言葉で表現することが簡単ではないように、カサンドラ症候群である、発達障害のある方の身近な人が抱える悩み、苦しみも表現がしずらく、理解され難い。

共感されにくい要素も、カサンドラ症候群である方の苦しみの一つでもあります。

 

カサンドラ症候群の原因・要素

カサンドラ症候群の原因・要素

 

伴侶やパートナー、家族とのコミュニケーションがうまくとれない

発達障害でも特にASD(自閉症)傾向の強い方は、「感情」という形のない曖昧なものへの理解がしづらいです。

なので、他者の感情に対して共感をしたり、「自分はこう感じている」ということを表現するのがとても苦手です。自分自身の「感情」に対しても、他の人の「感情」に対しても、とても鈍いのです。

そのことから、伴侶やパートナーは「何を考えているのかよく分からない」「相手は自分のことを理解しようとしない」と感じます。

 

情緒的交流の乏しさから伴侶やパートナーと対立してしまう。精神的、身体的な虐待がある

子供の発達障害でも、自分の思い通りにいかないことにぶつかると暴力的になってしまうケースがございます。

外では自制をすることを学んでいても、家庭では支配的になったり、障がいがなければ気にならないであろう些細なきっかけで爆発してしまったり、怒りを他者へぶつけてしまうということが起こります。そういった精神的、もしくは身体的苦痛もカサンドラ症候群の一つの要素となります。

 

自己評価の低下、抑うつ状態、罪悪感、不安障害、不眠症、PTSD、体重の増減など、精神的もしくは身体的不調がある

発達障害をご本人が自覚していたら、また違うのかもしれませんが、うまくいかない原因を考えるうちに「自分が悪いのだろうか?」もしくは「自分が悪かった」そのように感じてしまう方多いのではないかと思います。

そういった罪悪感からうつの症状や不眠など、精神的な不調や、身体へのストレス症状が出るケースも少なくありません。

 

他者から理解が得られない、相談ができない、信じてもらえない

夫婦の形は様々ですし、人により耐えられること、耐え難いことは異なります。

そもそも発達障害自体が他の人から見て理解されにくいものですし、家庭での出来事を他の人に理解してもらおうと思っても、同じような経験のある人にしかなかなか理解し難いものがあります。そのような逃げ場のないような状況が、カサンドラ症候群に陥っている方を苦しめる要素の一つになり得ます。

 

カサンドラ症候群に陥りやすい人の特徴

カサンドラ症候群に陥りやすい人の特徴

  • 真面目
  • 几帳面
  • 完璧主義
  • 忍耐強い人

目の前にある問題に対して、放置しておくことができなかったり、解決しようと自分が頑張ってしまったり。伴侶に対しても怒りを返すよりも忍耐強く耐えてしまう人は、特に注意が必要です。

 

努力でなんとかなることと、努力ではどうしようもないことがあります。

 

障がいをお持ちの方は皆、「努力ではどうしようもないこと」を抱え生きていますが、その原因が分からずに「うまくいかないのは自分のせいかもしれない」と自分を責めるパートナーの方は、本当に辛いでしょう。

 

「自分が何とかしよう」という考えから「自分にはどうしようもないから、専門的な知識のある場所へ相談してみよう」という考えへシフトしていく必要があります。

 

カサンドラ症候群を抜け出すには

 

まずは、頑張るのをやめましょう。

そして、自分がとても頑張っていたことを認めましょう。辛い時には辛いといい、SOSを出しましょう。

自分をたっぷり甘やかして、少し元気が出てきて、やりたいと思えたら是非以下のことを試してみてください。

 

理解する。知るがキーワード

発達障害のない方にとって、発達障害というものは理解し難い部分が多々あるかと思います。

聴覚や触覚などの過敏も、ない方からすると「神経質なのでは。。」と感じてしまうかもしれません。

感じ方、認識の仕方、受け止め方、全てが自分とは異なり、自分の周囲の人とも異なるかもしれません。まずは、苦手なこと、好きなこと、我慢できないこと、行動パターンなどの「特性を知る」ことを始めてみましょう。

特性を知らずに問題を解決しようとするのは、自分にとっても相手にとっても、苦しさしかありません。

 

本人に直接聞いてみるのも良い方法ですが、本人には自覚がなかったり、うまく表現ができないかもしれないので、図書館で本を借りてきて読むのも良いと思います。本人も気づいていないことに気づけるかもしれません。また今は、youtubeやブログ、SNSなどでも情報がたくさんあり、知識を増やすことができます。

 

その時に注意していただきたいことが、発達障害にはいくつかタイプがあり特性が異なると言うことと、個人差があると言うことです。それを念頭に入れ、発達障害を知っていくことはとても大切です。

 

理解が深まれば受け入れられることも増えてくるかもしれません。

 

お互いの行動を理解し、ルールを決める

「相手が気持ちよく過ごすには?」

と言う視点で考えることは、共同生活をする上でとても大切なことですが、同じ視点を相手も自分に持ってくれるとは限りません。

「自分が気持ちよく過ごすには?」と言う視点を自分自身でも考えてみましょう。とても大切なことです。

そして、自分が気持ちよく過ごすためにどうしたら良いかに気づいたら、それを伝える必要があります。「察してほしい。。」と思うかもしれませんが、察することができないのが発達障害です。

いつ、どんな風にしてほしいのかを明確にルール化すると、実践しやすくなります。

 

その時に、一方的ではなく相手のできること、やってみたいと思うことなど意思を尊重しながら自分の意見も伝えることが大切です。

 

「〇〇」という言い方は傷つくので「〇〇」と言う言い方をしてほしい。

 

など、禁止や命令ではなく、代替案を提案すると相手も約束が守りやすくなります。

 

自分はカサンドラ症候群かもしれないと思った時、どこへ相談すれば良い?

自分はカサンドラ症候群かもしれないと思った時、どこへ相談すれば良い?

いくつか対策を提案させていただきましたが、一番心強いのは、相談することのできる専門知識を持った機関とつながることです。自分の苦しみを理解してもらえたり、伴侶のことを理解してくれる人がいると言うことはとても心強いパワーとなり、励みとなります。

とはいえ、どこへ相談したら良いのかわからない。と言うのが現実ですよね。相談に行くと良い支援機関をいくつかご紹介いたします。

 

発達障害者支援センター

発達障害者支援センターは各都道府県や指定特定事業所に窓口が設置されていますが、住民票のある市区町村へ行くのが原則となります。各自治体により、事業内容が異なるため、必ずしも望んでいるような支援を受けられるとは限りませんが、一度問い合わせをしてみるのも一つの方法です。

 

発達障害専門外来を持つ精神科

医療機関の中でも、発達障害に関する専門知識のある医療機関と、そうではない機関があります。

ご自身が精神科にかかる場合には発達障害専門外来など、その分野に詳しい病院を探す事をお勧めします。理解のある機関とつながることは安心にもつながります。

 

定着支援サポートを行う事業所

発達障害のあるご本人様が、家庭内で問題行動が出てしまうきっかけが、職場でのストレスに一因があるケースもございます。障がい特性への理解や配慮が周囲の方に欠けているとご本人はとても苦しく、生きづらく感じます。そして、そのフラストレーションが家庭内で爆発してしまうケースも多々あります。

ご本人様に発達障がいに対する自覚があり、職場でのストレスを減らすことで良い方向へ向かうと感じられる場合には、発達障がいのある方も利用できる就労移行や定着支援サービスなどを活用し、専門知識をもったスタッフに職場と、ご本人様との間に入っていただいたり、相談をしてみるのも一つの方法です。

 

 

 

まとめ

まずは、知ること。それは第一歩ですよね。

障がいをお持ちの方が自分自身を知り、自己理解を深めることがとても重要ですが、ご家族の方も同様です。

自分への理解を深め、すると自然に他者への理解にもつながる。

プラーナでは、カリキュラムを通して障がいをお持ちの方が自己理解を深めるお手伝いをしています。

 

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