大切な人を亡くしたとき。
パートナーとの別れ。失業。引っ越し。健康を失うこと。
このような、自分自身にとって大切なものを失う体験を「喪失体験」と呼びます。
喪失体験は私たちに強い衝撃と悲しみを与えます。
私たちはこの失う悲しみにどのように向き合えば良いのでしょうか。
グリーフケアとは
グリーフケアという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
元々は愛しい人と死別した家族がその悲嘆(grief:グリーフ)を乗り越え、
立ち直り、再び日常生活に適応していくためのプロセスのことです。
けれど前述したように、死別に限らず私たちは喪失体験を通じて深い悲嘆に陥ります。
この悲嘆の程度は違えど、喪失体験を一度もしたことがない方は少ないことでしょう。
何故なら生きている限り、このような喪失体験を避けて通ることはできないからです。
グリーフケアの考えでは悲しみとしっかり向き合うことが重要とされますが、
周囲に心配をかけまいと気丈にふるまったり、
忙しい日常に流され悲しむ間もなく過ごさざるを得ない方もいます。
これでは抑圧された悲しみで、かえって心の不調が長期化する可能性があります。
グリーフケアのプロセス
1.衝撃の段階
大切なものを失い、心を麻痺させることで対応しようとする段階です。
涙も出ない、食事や水分補給といったことも出来なくなることがあります。
2.防御的退行の段階
現実に直面できず現実逃避をしたり、心理的な防御反応が働く時期です。
失ったものを取り返そうと試みたり、高い緊張状態でときに外界を遮断することもあります。
3.承認の段階
失ったものが取り戻せないことを確認し、あらゆる感情が現れる時期です。
抑うつ、怒り、悲しみ、無力感、自責の念、不安、絶望…
この段階の苦悩を乗り越えることで、徐々に現実が受け入れられるようになっていきます。
4.再適応の段階
少しずつ現実を受け入れ、大切なものがない社会で生きていくための
新しいアイデンティティを再編していく時期です。
悲しみと向き合う
グリーフケアで重要なことは、しっかりと悲しみきることです。
最初はあまりの衝撃に麻痺していた心が動き出したとき、
しっかりとその感情を自分で感じとりましょう。
その形が無力感であっても、怒りであっても、抑え込む必要はありません。
外界を遮断したいときには無理せず休息をとり、
表出したくなったら近しい人や専門家、同じ境遇にある自助会の仲間など
信頼できる相手にしっかりと吐き出すことです。
2で紹介したプロセスは必ずしも一直線ではなく、進退を繰り返す場合もあります。
人によって再適応までにかかる時間も異なります。
けれど暗く長く感じる洞窟にもゴールがあることを決して忘れないでくださいね。
悲しみの先に
グリーフのプロセスを経て、私たちは失ったものとの付き合い方を再構築します。
亡くした相手が見守ってくれていると信じ、日々のやる気をもつ方もいるでしょう。
失業の経験をもって、自分にとっての働く意味を考え直す方もいるでしょう。
健康を失って、この社会の多様性に気が付く方もいるでしょう。
この心身でどのように生きていくか、試行錯誤して新しい生き方を見つける方もいるでしょう。
悲しみを乗り越えることはとても苦しく困難なことですが、
その経験は私たちの人生に大きな意味を与え、成熟させてくれるのです。
ただ先にも述べたように、悲しみを抑圧すると心の不調が悪化するおそれがあります。
プラーナのご利用者様の中にも、就職活動で自分自身と向き合った時に、
過去の喪失体験を抱えたままだったことに気が付いてお話してくださる方も少なくありません。
悲しみを乗り越えて進んでいくために。
そんなお手伝いをさせていただけたらと心より思います。
―次に繋げる―
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