睡眠に全く苦労なく眠れる人もいれば、逆に「どうやったら眠れるのか分からない」と子供の頃からそんな悩みを抱えている人もいます。
十分な睡眠が取れなかったり、逆に眠り過ぎてしまったり。朝起きれないことで遅刻をしたり、ぎりぎりに目覚めることでバタバタと忙しい朝を迎え、一日中なんだかバタバタ。常に心が焦っている。それは自覚している以上にストレスや負荷が自分にかかっている状態です。
十分な睡眠が取れないことで日中にボーッとして勉強や仕事に集中できなかったり、作業の効率が落ちたり。
他にもたくさん、数えきれないほど睡眠障害による弊害はあります。
今回は発達障害と睡眠障害の関係と、睡眠や生活リズムを整えるための対策をお伝えしていきます。
- 朝起きれないのには理由がある!?発達障害と睡眠障害の関係
- 発達障害の人に見られる睡眠障害の症状
- 朝起きれるようになる生活リズムを整えるための対策
- 朝が早く起きれるようになると、こんな良いことがある
- まとめ
朝起きれないのには理由がある!?発達障害と睡眠障害の関係
発達障害があると必ずしも睡眠障害になるというわけではありませんが、発達障害がある方で睡眠に対して困難を感じている人は実際に多くいます。それというのも、発達障害の特性の中には睡眠を困難にする性質が多くあるからです。
①感覚過敏
聴覚の過敏や嗅覚の過敏、触覚の過敏などの感覚過敏のある方は眠る時に聞こえてくる小さな音が気になって眠れない、布団の肌触りが気になって眠れない、暑さや寒さで不快感を感じて眠れないなど、普通は気にならないような些細なことも気になってしまって眠れないことがよくあります。
②頭の中の多動
「頭の中が忙しい」「頭の中でずーっと考えが止まらないんです」そんな表現をされる方が多くいます。発達障害のある方で体が動くのを止められない”多動”の方もいますが、一見多動はなさそうに見えていても頭の中が常に忙しく動いてしまう”頭の中の多動”がある方もいます。
頭が忙しく動いているとなかなか寝付くことができません。
③不安や恐怖心が強い
感じ方が独特で、嫌なことや怖かったことなどネガティブな記憶をリアルに思い出す(フラッシュバック)を起こすことがあります。そのせいか人一倍怖がりだったり、不安が強い傾向があります。眠りにつくには「安心」している状態であることがとても大切です。安心感をなかなか感じることができず眠りにつけないという理由もあります。
他にも、いつもとは違う特別な経験をした日の夜は興奮した状態を鎮めることが難しかったり、次の日に楽しみなことや逆に嫌なことがあるとそのことが頭から離れず眠りにつけなかったり。「眠らないと」と思えば思うほどなかなか眠れない。こんな経験もあるのではないでしょうか。
そんな特性から夜に眠る時間が遅くなると、自然と朝起きるのが辛くなり、朝が起きるのが遅くなると夜も。。。という悪循環が習慣化してしまい、平日の仕事がある日は頑張って起きるけれども遅刻ぎりぎりだったり、平日の寝不足が溜まり週末になると昼間も爆睡し昼夜が逆転する習慣がついてしまったりというケースがよくあります。
睡眠は、習慣をつけることがとても大切なので「明日は休みだから眠らなくてもいいかな」とか。「今日は休みだから朝はずっと布団でゴロゴロしよう」そんなちょっとした気の緩みが、「起きなきゃいけない時に起きれない…」と、結果的に自分自身を苦しめることになります。
発達障害の人に見られる睡眠障害の症状
睡眠障害と一言で言ってもその症状は様々です。
発達障害の大人や子供に特にみられる睡眠障害の傾向についてお伝えいたします。
寝つきが悪い(入眠困難)
寝つきの悪さは上記で挙げました感覚過敏や多動、不安や恐怖のフラッシュバックなどの原因から、普通の人以上に眠りにつくことが困難です。
とはいえ、発達障害があると必ずしも眠りにつきにくいかというとそうとも限らず、幼い頃の育った環境や特性の違いによっても寝つきの良さには差があります。
布団に入らない
発達障害がある人は時間の管理が苦手です。「次の行動」に移るのに意識を向ける必要があり意識をしていないと「あ、気が付いたらこんなに時間が経っていた」ということがよくあります。例えば「22時には必ず布団に入る」など、時間を意識して眠る時間を決めておかないとやらなきゃいけないことややりたいことに追われあっという間に気がつけば0時を回っていた。時間は経ったけど、私は一体何をしていたのだろう?なんていうこともよくあります。
また、多動の傾向が強い子供は眠ることを嫌うこともあり、「起きていたい、眠りたくない。まだ楽しいことをしていたい」という衝動からなかなか布団に入り眠ろうとしません。眠ること=楽しいことというイメージをつけられる工夫ができると良いかもしれません。
途中で目が覚める(中途覚醒)
眠っている最中に目が覚めてしまい、その後なかなか寝付けなかったり。すぐに眠れたとしても何度も目が覚めるためスッキリ目覚めることができないということもあります。
朝起きれない
夜はなかなか眠らないのに、朝はなかなか起きれない。
疲れているのかと気遣い朝起こさずにいると、ずーっと起きず、その起床時間のずれが、生活リズムのずれを引き起こします。
「昨日眠るの遅かったしな」と思っても、朝起きる時間は決めた時間で起きるよう習慣づけるようにしましょう。寝不足は、眠る時間を早めたり、短時間のお昼寝で調整するよう心がけると良いです。
日中に突然睡魔におそわれる
興味のないこと、単調で退屈だと感じる時に急な眠気に襲われ眠ってしまうことがあります。授業中や、読書中など頑張って目を開けようと思っていてもそれができずに困っている方もいます。
睡眠リズムの異常
夜も遅く、朝も遅い傾向があります。遅い時間のリズムが固定してしまい一般的な生活リズムとの差が開いていくと生活リズムを戻すのに時間がかかることがあります。
朝起きれるようになる生活リズムを整えるための対策
睡眠の生活リズムを整えるには、夜に行う習慣と朝に行う習慣を意識すると良いです。朝と夜で何が違うかというと、そこには自律神経が関わってきます。自律神経は生活リズムを整えるために重要な役割を果たしていて、日中に活発になる交感神経と、夜や睡眠時、リラックスしている状態にいる時に活発に貼る副交感神経の切り替えがスムーズにできると睡眠リズムが整いやすくなります。
夜に副交感神経を優位にし、眠りにつきやすくする。昼に交感神経を優位にして活動しやすくする。
そのバランスを整えていきましょう。
夜の寝つきを良くするための対策
①夜の過ごし方を見直しルーティンを決め、一定の時間に布団に入るようにする
副交感神経を優位にするには、夜はあまり活動的に動くことを控えると良いでしょう。
スマホやTVなど、目を覚まさせる刺激となるものを避けてゆったりする時間を過ごします。眠る前にヨガをする、ストレッチをする、読書をする。
など自分自身の中で「これをしたらもう眠る時間」というマイルールを決めてみましょう。
自分とした約束を守ることで「お、ストレッチをしたからそろそろ眠る時間だな」と身体に覚えさせていきます。
②夜は明かりを弱くし体が夜だと認識できるようにする
先ほどテレビやスマホを避けるということを書きましたが、夜の光は最も手軽で効果的な昼と夜の切り替え方法です。
電気は夜になったら少しくらい暖色系の明かりを使うと落ち着いた雰囲気になります。
③興奮してしまう、ハイになってしまう夜はストレッチやヨガ、瞑想などで呼吸を整えたり、入浴して血行を良くする
夜になるとハイテンションになってしまう、楽しくなってしまう、何かやりたくなってしまう。
そんな人は敢えて自分を落ち着かせることができることに取り組みましょう。入浴はとても効果的に心落ち着かせてくれます。適度な疲労感と体の芯からポカポカと温まるお風呂は就寝前のルーティンに加えると良いことNo.1です。
その他にも、ストレッチ、ヨガ、瞑想など、血行を良くしたり呼吸を整え落ち着かせてくれることを何か一つルーティンの中に入れてみるのもおすすめです。
④糖分を控え、体が温まる食べ物を食べる
アイスやケーキ、お菓子に含まれる白砂糖は体を冷やし、興奮させ、質の良い睡眠を妨げるものです。常習性があり、口に入れる習慣ができると食べたくてたまらなくなります。子供に与えるととてもわかりやすいですが、糖分をたくさんとった日の夜はテンションが上がり冷静さを失いはしゃぎ回ったりします。アイスや砂糖が多く含まれる食べ物は、体が冷え、興奮し、目が冴えてしまうので控えると良いです。
朝起きるための対策
①起きる時間を決める
今日は休みだから寝溜めしよう。こんなことを私も若い頃は思っていましたが、残念ながら睡眠は溜めることができません。
休みの日も平日と同じ時間に起きることができると月曜日の朝も目覚めやすくなります。
「何時から何時までには起きる」など、おおよその時間を決めてその時間をなるべく崩さないようにしましょう
②朝のルーティンを決める
次にやることが何か決まっていないと、なかなか次の行動に移すのが億劫になってしまいます。
朝は目が覚めたらまずこれをして、次はこれ。と夜と同じく朝もルーティンを決めると「何しようかなー、ぼー。。。」と考え込むこともなく、布団から出る目的もできます。目が覚めて一番にやることは次の項目がおすすめです。
③目覚めたら日の光を浴びる
交感神経と副交感神経のお話で、切り替えに光を利用するのが効果的だというお話はさせてただきました。
朝は明るい光を浴びることで体が目覚め、交感神経が優位になります。特に日光はものすごいエネルギーで目を覚ますのにとても良いツールです。
天気が悪い日や曇りの日でも、カーテンを開けると必ず日光の影響を受けています。目が覚めたらまずカーテンを開ける。日の光を浴びると目覚めるだけでなく気持ちも前向きになりますのでぜひ試してみてください。
④運動や汗を流すシャワーも効果的
運動やシャワーと聞くと「ハードルが高い」と感じられる方も多いようですが、運動は必ずしもハードな運動をしなくてはいけないというわけではありません。例えばラジオ体操だったり、もしくはウォーキングだったり。距離も自分でどのくいにするか決めることができます。
発達障害の方と運動はとても相性が良く、頭の中の混乱や整頓できない悩みなども運動することで解消されたり、落ち着かせたりする効果もあります。そして何より体が確実に目覚めるので、自分にもできるかもしれないと思える運動がありましたら、ルーティンに加えてみるのも良いです。
朝早く起きることについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事も参考になさってください。
寝られない!不眠症でつらい夜とはおさらば!!改善策と寝られない時の対処法
朝が早く起きれるようになると、こんな良いことがある
ここまで色々なことを書いてきましたが。
「こんなにたくさやることあるの?」
「なんだか面倒臭そう」
そう感じていませんか?
そもそも面倒くさいと思うことからは逃げたいと感じる。好きなことだけやっていたいと思う人が多いので、もしかしたら
「こんなに大変なら朝は起きれなくても良いかな」と思っていらっしゃるかもしれませんね。夜型を変える必要がないのであれば、そのままでも良いかもしれませんが、もし、「朝型人間になりたい!」と少しでも思うようでしたらそのモチベーションを高められるよう、朝早く起きるメリットについても書いていきたいと思います。
朝ご飯を食べれるようになる
人は起きてから胃が活動的になるまでに少し時間が必要です。
起きる時間が遅いと、自然とご飯を食べれるようになる時間も遅くなります。朝食は1日のエネルギーを作るのに最も重要な食事の時間です。時間がなくて軽く済ませる食事より、ゆっくり落ち着いて食べるご飯の方がずっと美味しく感じ、朝食を美味しく食べるということが1日の活力へとつながります。
遅刻や忘れ物が減る
早起きをすると朝の時間に余裕が生まれるので、予定を確認したり持ち物を確認するゆとりができます。その結果、遅刻や忘れ物が少なくなります。
焦らず過ごせる朝はノンストレス
小学生の頃から朝が苦手で遅刻ばかりしていた私にとって、一番の早起きのメリットはここです。
焦ってご飯を食べたり、焦って支度をしたり、焦って学校や仕事へ行く朝は、知らず知らずのうちに自分にものすごくストレスがかかっています。
落ち着いて考える。落ち着いて支度をする。落ち着いて家を出る。焦らず過ごせる朝は、本当に心と身体に優しいです。
まとめ
今回は発達障害と睡眠障害について書いていきました。
発達障害と言ってもその特性は様々で、中には睡眠に対して困りごとを感じていない人もいると思います。
ただ、睡眠を整えることが難しい人にとってはそれによって起こる弊害はたくさんありますので、きっと苦しまずに睡眠リズムを整えられたら一番良いと感じるのではないでしょうか。
睡眠は習慣です。習慣を変えるのは最初は難しいと感じるかもしれませんが、慣れてしまうととても楽です。
習慣を変えるそれはいつ始めても良いです。「変わりたい」と思った時が、変われる時です。
―次に繋げる―
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