こんにちは、プラーナ宮崎です。
11月も中旬を迎え、寒さも本格的になってきました。
紅葉が色づいてきている地域も増えてきましたね。
寒くなると外に出るのが億劫になることもありますが、秋を満喫しに、紅葉狩に出掛けてみてはいかがでしょうか?
さて、今回は、秋から冬にかけて見られる冬季うつ病についてお話したいと思います。
冬季うつ病とは?
うつ病は気分の落ち込みが特徴的な心の病です。
起床後すぐは一番気持ちが冴えず、夕方になると気持ちが軽くなる「メランコリー型うつ病」や、気持ちの落ち込みに対する自覚が少なく、頭痛や腹痛などの体の症状が目立つ「仮面うつ病」など、うつ病にも様々なタイプがあります。
そして、その中でも冬場のみ発症する「冬季うつ病」があります。
冬季うつ病は「季節性情動障害」(SAD)とも呼ばれており、特徴として周期性があります。
日照時間と深く関わりがあり、日照時間が短くなる10月から11月にかけて症状が現れ始め、日照時間が長くなる3月頃になると回復するというサイクルを繰り返します。
冬季うつ病の症状として、以下のようなものが挙げられます。
・些細なことで気持ちが落ち込んでしまう。
・イライラしたり、突然不安になったりする。
・普段より睡眠時間が長くなる。または、朝起きられなくなる。
・今まで楽しんできたことが楽しめない。
・ぐったりとして疲れやすい。体を動かすのが億劫になる。
・午前中は特に気分が落ち込む。
・人と会いたくない。
・食欲が減退する。もしくは逆に亢進し、炭水化物や甘い物が欲しくなる。
・以前ならこなせた仕事が上手く処理できない。
・気力や集中力が明らかに落ちている。
「これらの症状が秋から冬にかけて2年以上続けて見られる」
「なぜか春になると症状がなくなったと感じる」
「ストレスなどは特に思い当たるものはなく、考えられる原因は季節的なものである」
このような特徴が重なった場合、冬季うつ病の可能性があります。
自分の状態に違和感を覚えたら、早めに精神科や心療内科を受診するようにしましょう。
冬季うつ病の原因
では、冬季うつ病の原因には、どのようなものがあるのでしょうか。
①セロトニンの減少
セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれており、幸福感を高めるホルモンです。
脳を覚醒させて、集中力・記憶力などを向上させるホルモンでもあります。
セロトニンは日光を浴びると、体内でたくさん合成されます。
一方、日光の量が少なくなると、体内で合成されにくくなります。
セロトニンの量が少なくなると、脳が活性化しにくくなり、集中力が低下したり、気分が落ち込んだりしやすくなります。
冬場や緯度の高い地域では日照時間が少なくなりがちです。
そのため、冬季うつ病を発症しやすくなるのです。
②体内時計の乱れ
人の体には「概日時計」と呼ばれる体内時計を調整する機能が備わっており、睡眠と覚醒やホルモンの分泌のリズムを整えています。
脳の視床下部にある「視交叉上核」と呼ばれる神経が体内の概日時計をコントロールし、指示を出す役割を担っているのですが、時差ボケやシフト制でのお仕事などの不規則な生活が続くと視交叉上核がうまく働かなくなり、体調不良に繋がります。
冬季うつ病の改善方法
次に、冬季うつ病の改善方法をいくつかご紹介します。
1.積極的に日光を浴びる
冬季うつ病の予防や改善には、午前中に起床して日光を浴びる、規則正しい生活習慣が効果的と言われています。
なるべく早寝早起きを心がけて、冬の少ない日照時間でも、できる限り日光を浴びるようにしましょう。
日差しが短くなり始める秋からは、ウォーキングや通勤時間などを活用し、積極的に日光を浴びると良いでしょう。
日中に日光を浴びるとセロトニンが作られます。
セロトニンは、脳から分泌される睡眠ホルモンであるメラトニンの原料となります。
日光が少ない冬の期間は、セロトニン減少が起きメラトニンが十分に生成されません。
メラトニンには、睡眠・覚醒リズム、ホルモン分泌のリズムといった概日時計を調整する作用があり、不足すると不調を感じるようになります。
昼間はできるだけ外出して、セロトニン不足を解消するようにしましょう。
2.栄養バランスの良い食事をする
セロトニンが不足すると、脳の働きに不調が起こります。
食事でセロトニン生成に必要なタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養素を十分に摂取することが大切です。
肉、魚、大豆などのタンパク質にはセロトニンを作るために必要な必須アミノ酸のひとつである「トリプトファン」が含まれているので、積極的に摂るようにしましょう。
中でも、イワシやサバなど青魚の脂にはセロトニンを活性化させる作用があるのでおすすめです。
3.適度に運動をする
寒い季節はできるだけ動きたくないと思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、運動を習慣化することで、気持ちをコントロールする神経伝達物質のひとつである「ドーパミン」が分泌され、気分の落ち込みやイライラといった症状を改善する効果が期待できます。
日光のもとで早歩きするだけでも症状は改善されます。
運動をすることで、爽快感や活動的な気分も得られ、生活スタイルを改善するための第一歩になります。
忙しくて運動をする時間がない人は、一駅分歩いてみる、なるべく階段を使うなどして日常生活でも体を動かすようにしてみましょう。
4.自分の気持ちを話せる人を見つける
冬季うつ病を抱え、一人で悩んでいると、気持ちの落ち込みが余計に増大してしまうかもしれません。
そこで、その気持ちを誰かに話してみてはいかがでしょうか。
もし身近で自分の気持ちを話せる人が思い浮かばないのであれば、サポートグループを見つけ、そこで自分の気持ちをお話してみるのも良いと思います。
外に出る・人に会って話すことは、自分の気持ちを整理することにも繋がります。
5. ToDoリストを作り整理する
やるべきことが山積みになっていると、気持ちが落ち込んでしまうかもしれませんが、タスクが順序良く整理されていると、落ち込みや憂鬱感を緩和できるかもしれません。
ToDoリストを作成し、文字に起こして可視化することで、自分が取り組むべき目標やタスクが明確になります。
やるべきことがぼんやりしている状態からも解放され、タスクからタスクへスムーズに移ることができれば、気分が落ち込むことも少なくなるかと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
冬季うつ病の最大の特徴は、その名の通り、うつ症状が冬季に限定して現れる点です。
日が短くなる秋から冬にかけてうつ傾向が強まり、春になると自然とうつ状態から回復し
て元気になるという季節性があります。
これからの時期がまさに冬季うつ病になりやすい季節になります。
秋口から調子が悪くなり、春になると良くなってくるという方は、一度、医療機関の受診を検討してみましょう。
こういった体調管理に必要な知識を、プラーナでは、コンディショニングといったカリキュラムを通して身に付けることができます。
また、プラーナでは、利用者様への支援の一環として受診同行も行っており、支援員と一緒にかかりつけ医に相談したい内容を整理してから受診することも可能です。
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最後までブログを読んでいただき、ありがとうございました。